ヒステリックで非常識な対応

サッカー:天皇杯で主力温存の大分、千葉を処分…犬飼会長

日本サッカー協会犬飼基昭会長は10日、第88回天皇杯全日本選手権で多くの主力選手を温存し、初戦で敗れたJリーグ1部(J1)の大分と千葉について何らかの処分を行う見解を示した。

犬飼会長は「制裁すべきだ。一番権威のある大会。例えば、来年の出場権をはく奪するとか、シード権をはく奪して県大会から出るとか」などと語った。14日の理事会で対応を協議する。天皇杯はJリーグ規約で最強チームによる参加を義務づけている試合に明記されていないが、「規則のあるなしの話ではない」と述べた。

大分と千葉は5日の天皇杯4回戦から登場した。ナビスコ杯初制覇の4日後となった大分はJ2鳥栖に0−2、千葉は清水に0−1でそれぞれ敗れた。【武藤佳正】

この問題、普段は温厚な大分サポでもなんでもないサッカーファンにとってもかなり逆鱗に触れる出来事のようで、かなり過激な書き込みも随所で見かけます。
おかしいのは僕らじゃなくて犬害会長なんだ、という確信を強めています。


ただでさえ、選手に負担の掛かる現行の天皇杯の日程を押しつけておいて、禁止を明文化されていない行為を行ったクラブに対して、警告も何も無しにいきなり「来年の出場権をはく奪するとか、シード権をはく奪して県大会から出るとか」ですか?

不意打ち速度取締り機のオービスですら、設置箇所の手前には、「取締り中」の表示を行っているというのに、それすらなしにいきなり「来年の出場権をはく奪するとか、シード権をはく奪して県大会から出るとか」、ってのは、強権出動どころか、トチ狂ったとしか思えません。


何度も言っているように、県リーグからJ1に上り詰めた大分は、母体企業を持たない独立系企業。
犬害会長の出身母体である浦和のように、黒字体質で独り立ちできるまでの間、三菱が面倒を見てくれていたクラブとは根本的に体力が桁違いに違います。

トライバルキックス社のスポンサー料滞納に始まる経営危機を選手数を削減することで乗り切り、選手の実力以上のものを引き出すことが出来る名監督のもの、血のにじむような努力の末つかんだナビスコカップの栄冠でした。


そして犬害会長は、大分−千葉の試合後、自力で立つことが出来ずにピッチに崩れ落ちる両チームの選手が一体何人いたのか知っているのでしょうか?天皇杯を休ませたとしても、過密日程がどれだけ選手達の体力を奪っていたか分かりますか?
グループリーグで敗れたチームと、決勝まで勝ち上がったチームがどれほど試合数に差が出ているのか把握しているのでしょうか?
そして、大分サポーターが天皇杯での敗戦後、挨拶に来るなとゴール裏に向かう選手達を追い払ったでしょうか?


育成年代でのバックパス禁止も含めて、犬害会長の言動には、とてもサッカー選手経験者だった都は思えないレベルのものが多数見受けられます。
高校、大学、そして4年間の三菱でのサッカー選手としての経験よりも、その後の三菱自工マン、ビジネスマンとしてのメンタリティばかりが発露してしまっていて、単にサッカーを興業としてしか捉えられなくなってしまっているような気がします。

ビジネスの世界のように強いモノだけが生き残ることが出来ない世界ならば、Jリーグが理念とする、各県に1チーム以上のJチーム、そしてJリーグ100チームなんて夢のまた夢です。
Jに残るチームは、10チームにも満たないのではないでしょうか?

それぞれのチームが、出来るやりくりをしてサッカーを楽しんでいるからこそ、イタリアやイングランドのようにプロビンチャのクラブが1部リーグで旋風を巻き起こすことが可能なのです。
そしてそれを今、大分が日本で実現しつつあるのです。
浦和の基準はグローバルスタンダードどころか、日本の基準ですらない、埼玉県下どころか浦和周辺での基準でしかない、ということをしっかりと自己認識して、とんでもない馬鹿たれだった前会長の轍を踏まないようにして欲しいモノです。

現在のところ、キャプテンを上回る暴虐ぶりだとしか思えなくて、とても不安です。
自分の正義がサッカー人の正義と完璧に乖離してしまっていることを認識して、考えを改めて欲しいモノです。