救世主・大黒 2006ドイツワールドカップ最終予選vs朝鮮民主主義人民共和国

イルボン 2(1-0)1チョスン

  • 得点
    • イルボン 小笠原(4分)、大黒(90+1分)
    • チョスン 南成哲(61分)
  • 警告
    • イルボン 田中(51分)、あれ(89分)   得点:
    • チョスン 李明滲(3分)、朴映哲(32分)安英学ッ(75分)、南成哲(76分)
  • 出場選手
    • イルボン GKテソ、DF田中(66分 MF茸)、宮本(Cap)、爆発頭、MF加地、ガチャピン、 福西、あれ、小笠原、FW鱸(64分 鮨爆弾)、タマちゃん(79分 大黒)
    • チョスン GK沈勝哲、DF李明滲(Cap)、張石哲、漢成哲、朴映哲(→16 南成哲(43分)、MF文人国、李漢宰(84分 朴男哲)、金永峻安英学ッ、FW洪映早、崔哲万(29分 金映水)

試合開始から予想通り(一般マスコミでなく、サッカー界でのね)、右サイドを中心に前がかりに来るチョスン。しかし日本も落ち着いて前線からプレスをかける。そしてそのプレスからあれがボール奪取に成功したところを李明滲が引っ掛けてイエローカード。4分そのFKを小笠原が壁の上を越えて急激に落ちゴール左下隅にフックで突き刺して日本が先制します。

さらに中盤でのプレスから玉田へスルーパスが通りGKと1vs1になりますが、これはGK正面。しかし15分を過ぎた辺りからチョスンもリズムを取り戻し、細かいパス回しで日本を脅かします。対して日本は良いリズムでボールを回しているところで倒された鱸、小笠原、玉田が良い流れを断ち切るピッチ寝転がり。これでペースを断ち切ります。
さらに両ボランチの遠藤、福西、ことに福西の消極さが目立ち日本は実質両ボランチを吸収した5バックとなり攻撃への切り替え時には小笠原の前には2トップと加地しかいない状態が続きます。

それに対するチョスンですが、細かくパス回しをするのは良いけれども、そもそもそういうスタイルは日本にとって相性の良いパターンで、しっかり対応出来てしまいます。ただ安ヨンハッ!は日本の縦へのドリブル突破にずるずる下がってしまうくせをよく分かっているのか、鋭いドリブル突破で最後もシュートで終わるなど光るプレーを見せます。

そして、流れを代えたいチョスンは29分はやくも1枚目の交代カード。先発を外れたエース、金映水を投入します。これでチョスンペースに鳴ってしまいます。37分には李漢宰も思い切りの良いヘディングシュートを放ちます。42分には早くも2枚目の交代カードで左サイドに南成哲を投入。前半はそのまま1-0で終了。予想以上の苦戦で前半終了です。

後半開始早々、あれのクロスを玉田がスルーし、鱸がファーで受けますが、これは良い形でした。しかし小笠原は直後ゴール真ん中で受けたボールをシュートすることなく、横へパス。みすみす相手にボールを渡してしまいます。
その後田中がゴール前で犯したファール(しかも予選2枚目のイエローでイラン戦はサスペンド)からのすばやいリスタートはDFが対応しきれず右に流れてからクロスを上げられシュートを放たれますが、これは川口がファインセーブ!!

しかし相変わらずボールを支配されるイルボン、16分に右サイドから中→左と細かく回されて最後は、途中出場の南成哲がミドルシュート、これを川口が完全に逆を衝かれてなんとチョスンが同点に追いつきます。これは引き分け狙いで厳しいDFになると思ったら案の定、2トップを除いて自陣に下がってのプレーになります。

何とかしたい日本は、17分に鱸から高原、20分に田中から俊ちゃんを投入し、4−4−2に。これでリズムを取り戻した日本は、中村が右へ左へ再度チェンジを繰り返して相手のマークを混乱させます。ことにあれの左サイドへ回ったときの高原も含めたコンビネーションはかなりよかったです。ただし高原のフィニッシュの精度が悪すぎました。

リズムを作りボールを支配しながら「ボールを持たされている」状態に陥りかけた33分玉田に代えて大黒投入。対してチョスンは李を下げて引き分け狙いに。しかしここから中村からのパスに反応した大黒が抜け出してCKを得るなど、日本もフィニッシュへの意識が強くなります。そして3分のロスタイムのうち1分を過ぎた時、右サイド小笠原のクロスをGKがパンチングしますが、返りが弱く福西の目のまえに、福西のまえに出したボールを大黒がDFをよく見てゴロで抑えたシュート!これが決まってギリギリで日本が勝利をもぎ取りました。

危ない試合でした。両ボランチとDFライン、小笠原との意志疎通がひどかったし、あれも前半は完全に抑えられ、2トップもDFはよかったものの完全に硬くなっていました。緒戦のプレッシャーかもしれませんが、あのまま引き分けに終わっていたら国辱でした。

対する北朝鮮は、自らのサッカーを貫いての惜敗。大善戦といえると思います。

日本は次節アウェイイラン戦をあれ、田中を欠いて戦います。
代わりは、アツ、松田がいますが、アツはしっかりイラン戦に向けて神戸でコンディションを作っておくよーに。藤田を使っても良いかも知れません。
とにかく良い意味でも悪い意味で大変な試合でした。大黒マンセーでしたね。タイトルの写真は日経ですが、すばらしい写真です。

イルボンの採点
テソ川口6.0:失点のシーンは完全に逆を衝かれたが、前半のファインセーブはよかった。
田中5.5:不注意なイエローを受けるなど、不安定。
宮本6.0:良くも悪くも普通。ただし両ボランチには後ろからコーチングが欲しかった。
爆発頭6.0:今日はアピールできず。
加地6.5:あれが抑えられた分攻撃で光った。今まで出一番の出来。
遠藤"ガチャピン"5.5:今日の前半の消極性はひどかった。今日の苦戦の原因。
福西5.0:遠藤に和をかけてひどかった。アシストがなければ4.0.
あれ6.0:厳しいマークにあい、先制以降は消えていたが中村に生かされて生き返った。
小笠原6.0:もう少し積極性は欲しかったが、コンダクターとしてはまずまず。
鱸5.5:安易に倒れてファールをもらうのは良いが、試合の流れを呼んで立ち上がって欲しい。
タマちゃん玉田5.5:プレスはともかく、全体に動きが硬かった。
鮨爆弾5.5:浮ついた動き、空回りが目だった。不調時のブンデスリーガでのプレーのようだった。
茸俊ちゃん7.0:右へ左へ動き回りマークを集中させず、チョスンの勢いを断ち切った。
大黒7.5:まさにスーパーサブ。イラン戦にも期待大。呼べ>ジーコ

この試合、代表嫌いの中坊氏にはえらくお気に召さなかったようで、えらくたたいてます。ま、エンタテイメントとしては面白かったですよ。>劇場型サッカーチーム=日本代表

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