福知山線脱線事故

tatsumine2005-04-25

死亡53人・負傷417人、まだ車内に多数の乗客

まずはじめに、50人を超えた犠牲者の皆様のご冥福をお祈りいたします。

今回の事故はまだまだこれから原因の究明が行われていくことになります。
伊丹駅でのオーバーランに起因する1分30秒の遅れを取り戻すためのオーバースピード、23歳運転士としての経験11ヶ月の運転士の技術力、粉砕痕が見つかったことによる置石の影響。様々な憶測が憶測を呼んでいるけれども、これらの「原因」と思われているものは、まだまだ単なる推測であり予断です。

あらゆるヒューマンエラーを考慮してフェイルセーフをどれだけ深くとっても、おこりうると想定できる最大の被害の何倍もの安全度を見越して設計しても、それでもおきてしまうのが事故です。
そして事故がおきてしまうことはすなわちその事故が起きる原因になったものに関わったすべての技術者の敗北です。

どれだけ無念に思っているか分かりませんが、人生掛けて追求してきた安全への思いが打ち砕かれてしまったことでしょう。でも事故はおきてしまったのです。リセットされてしまった安全への信頼を取り戻すためにがんばってください。

そして世の中のマスコミの人たちはしっかりと予断を捨てて、裁いてやるといういつもの尊大な態度を捨てて、推論や予断に基づかない事実のみを報道してください。事故がおきたという事実は消えませんが、マスコミの推論や予断に基づいた誤報はいつだっていつの間にかなかったことになってしまうのですから。

TV朝日系列の事故直後に始まった報道特番の技術解説は予断を排除した事実のみで判断したいという思いが溢れるすばらしい解説でした。
対して報道ステーションの技術評論家・桜井氏は予断と自分の推論で持論を展開していました。評論するだけの技術者はすでに技術者じゃないと思います。