2007年J1第1節 対浦和レッズ戦@埼玉スタジアム2002

横浜FCは、2007年J1開幕戦を埼玉スタジアム2002で昨シーズンのリーグ戦、天皇杯チャンピオンの浦和レッズと戦い、不運なオウンゴールで先制されるものの前半終了直前に久保のスーパーゴールで同点に追いつきながらゲーム終盤力つきて敗戦。
しかし選手、スタッフ、サポーターみんなの心にJ1でもやれる!という自信が生まれたように思います。

2007年Jリーグ、始まりました。

浦和 2(1-1)1 横浜FC

  • 16:00キックオフ 埼玉スタジアム2002 入場者数:57,188人
  • 得点
  • 警告
    • 浦和 小野伸(40分)、奥(56分)
    • 横浜 小野智(5分)
  • 出場選手
    • 浦和 GK山岸、DF坪井、阿部、ネネ、MF永井、鈴木、小野伸、相馬、ポンテ、FW山田、ワシントン。<サブ>GK都築、DF堤、内舘、堀之内、MF酒井、平川、FW岡野
    • 横浜 GK菅野、DF小野智、早川、小村、和田、MF山口、藪田(88分 シウバ)、奥、鄭、滝澤(64分 内田)、FW久保。<サブ>GK小山、DFアンデルソン、MFアドリアーノ、FW三浦、難波

横浜は、メンバー発表ではプレシーズンの布陣通りの4-1-4-1。なかじはサブにも入れず、FWの控えが3人。守備から入って、オプションとして攻撃陣への切り替えという位置づけでしょう。ポリバレントな選手が多いのでDFの控えはアンデルソンだけで大丈夫でしょう。
対する浦和は闘莉王を発熱で欠き阿部をリベロ起用、小野伸二ボランチ起用というこちらは目新しい布陣、スピードに劣る横浜DFラインを後ろからの展開でかき回そうという意図が感じられます。
主審は現在J最凶といえるジョージ柏原。しかし今回のジャッジは奇跡的に終始安定していたのでした。

試合前にはサポーターの姿がテレビに映し出され、横浜ゴール裏のチャントは浦和のコールにかき消されることなくしっかりと聞こえてきました。選手にもどれだけ力になったことでしょう。


さて実際に試合が始まると、横浜は奥を下がり目に、久保をトップに残し、その後ろでDF、MFが4人ずつのラインを作る。4-4-1-1。正直これで良いと思いました。ヨンデのトップ下はあり得ないだろうとずっと思っていましたから。
浦和は永井がトップの位置に入り、ポンテがトップ下の3-5-2です。横浜のキャプテンはヤマ、奥のさっぱりしたヘアスタイルとスゲの金髪に気合いを感じました。

キックオフと同時に横浜は浦和の猛攻にさらされます。ポンテを中心に底からの小野伸二のパスと相馬の左サイドの突破、ワシントンのポストプレーでしっかり展開してきます。
横浜は、防戦一方。特に相馬とマッチアップしたトモキチは相馬に完全にスピード負けして5分には手を使って倒してこの試合最初の警告を受けます。ディフェンス面ではトモキチはポンテ、相馬を止めることが出来ずに良いことがなかったのが残念でしたね。

当然スゲの仕事も増えて、大忙しですが、飛び出し、フィスティングで横浜の危機を救います。気合いが入りすぎたかな、と思える表情でしたが、プレーぶりはしっかりと落ち着いていました。さすがスゲ。


浦和の猛攻にさらされ続けた横浜の最初のチャンスは18分ヤブの右サイドでの粘りから大外をオーバーラップしたトモキチへパス、トモキチが深いところから上げたクロスをDFがクリアしたもの。CKはクリアされてこぼれをトモキチがロングシュート、これが大きく枠を外します。
さらに20分にはヤマが久保とGKの位置を見てミドルシュート、左に外れましたが良い判断のプレーでした。

攻撃でリズムが出てくると、守備面でもさらに磨きがかかり、ポンテ、永井には必ずダブルチームであたり、ワシントンにはマークでオムさん、カバーリングにハヤが着くという形で、ボールは保持させてもチャンスは作らせないディフェンスはJ2時代から変わりません。

しかし好事魔多し。良いリズムで試合を進めていた25分、ポンテ、ワシントンのワンツーからポンテが最後に放ったクロスをハヤがマウスの外にクリアしようとしますが、このボールが同じように処理に行った和田の足に当たりゴールイン。不運な失点を喫してしまいます。
良い流れだっただけに残念な失点。誰も責められません。


しかし横浜は失点にも焦らずに自分たちのペースでゲームを進めます。34分には、ハヤのロングフィードから左サイド久保が突破してシュート、枠左へ外れます。41分には久保の粘りからタッキーが最後はCKを獲得するなどチャンスを作ります。

そして44分、すばらしいプレーが生まれます。右サイドボールを受けた久保はやや遠い位置ながらディフェンダーを反転して交わすとそのままGKの絶対取れない右上の位置にすばらしいシュート。これが決まって横浜が同点に追いついて前半を折り返します。

ハーフタイム埼玉スタジアムの友人に電話を掛けて後半の健闘を祈りつつ、後半スタート。
後半が始まっても相変わらず相馬対トモキチのサイドは危なっかしい展開ですが、J2時代同様のサイドは捨てて中で勝負するディフェンスがある程度ハマって浦和になかなかチャンスを作らせません。
永井がサイドに流れてチャンスを作りに行くためワシントンが単独突破を仕掛けますが、しっかりとオムさんとハヤがカバー。ワシントンに前を向かせません。

後半20分には守備固めか左サイドのタッキーをカズではなく、うっちーに代えます。
25分過ぎからは、控えFWが岡野しかいないために、ネネを前線にすえてパワープレーに出ますが、高さに対してもしっかりセンターバック2人がケア。

このまま1-1の同点で終わるのではないかという展開が続きます。疲れの出てきた久保に代えて難波が用意し、対する浦和は局面打開する岡野を投入か、と言う中、40分右サイドから永井に決められて勝ち越しゴールを奪われます。


攻めに出たい横浜は、難波ではなく個人技で突破をはかれるシウバをヤブに代えて、トップに起用して起点を増やしますが、右クロスでチャンスを一度作ったものの、浦和の巧みなボールキープの前にそのまま試合終了。

横浜の歴史的な一戦は順当といえる敗戦に終わりました。しかし浦和の爆発的な攻撃力をJ2仕様のディフェンスで跳ね返すことに成功、さらに久保の攻撃力をしっかりと発揮できたことから、J1でもそこそこやれるのではないか、という期待感を持たせる明るい敗戦だったと思います。

さて、採点です。

  • 菅野 6.5:敗戦ながらこの点数を付けさせてもらいました。すばらしいプレーを連発。
  • 小野智 5.0:相馬とのマッチアップに完敗。オーバーラップは見せたが残念な出来。
  • 早川 6.0:ワシントンのカバーリング役をしっかりこなした。
  • 小村 6.0:ワシントンのマークをはずさずに前を向かせなかった。
  • 和田 5.5:左サイドでは浦和は怖くなかった。和田のおかげ
  • 山口 6.0:機を見たロングシュートなど攻撃でもアクセントを作った。
  • 藪田 5.5:もっとチャンスを作れたはず。
  • 奥 5.0:チャンスに絡めず。
  • 鄭 5.5:中盤では小野を自由にしてしまった。
  • 滝澤 5.0:山田の左サイドを崩せなかったのは残念。
  • 久保 6.5:すばらしいシュートでした。ようこそ横浜へ。
  • 内田 5.5:ディフェンスに奔走。
  • シウバ 5.5:仕事できず。