都並監督解任

横浜FCは今シーズン限りでの都並敏史監督及び斎藤芳行コーチの解任を発表しました。
後任監督はまだ未定ですが、今季の成績不振と経営について全てを監督に押しつけるフロントの姿勢にはとても納得できるものではありません。

都並敏史監督解任について

横浜FCは、今シーズン「J1復帰」と「J1に定着できるチーム作り」を目標に戦って参りましたが、現時点でこの2つの目標に対し、チーム作りが順調に進んでいないと判断し、都並敏史監督を2008シーズン限りで解任することを決定いたしましたのでお知らせします。
残り2試合の公式戦は、現体制でひとつでも上の順位、1つでも多くの勝ち点を取るべく、全力で戦う所存でございます。
来シーズンの体制については、決定次第お知らせ申し上げます。

都並 敏史(TSUNAMI Satoshi)
■生年月日:1961年8月14日(47歳)
■出身地:東京都
■選手歴:
1980〜1992 読売クラブ
1992〜1995 ヴェルディ川崎(現:東京ヴェルディ1969
1996〜1997 アビスパ福岡
1997〜1998 ベルマーレ平塚(現:湘南ベルマーレ
日本リーグ1部:205試合出場5得点/Jリーグ通算:61試合出場0得点
■代表歴:日本代表国際Aマッチ78試合出場2得点
■指導歴:
1999 ヴェルディ川崎巡回コーチ
2001 ヴェルディユース監督/東京ヴェルディ1969コーチ
2002 ヴェルディユース監督
2003 ヴェルディ普及育成コーチ
2004 ヴェルディユース監督
2005 ベガルタ仙台監督(通算成績:19勝11分14敗J2リーグ4位)
2006 東京ヴェルディ1969コーチ
2007 セレッソ大阪監督(通算成績:4勝3分6敗)
2007 東京ヴェルディ1969アドバイザー
2008 横浜FC監督(通算成績:10勝16分14敗)※11/25日現在
■ライセンス取得:2004年JFA公認S級コーチライセンス取得

斎藤芳行コーチ解任について

横浜FCでは、斉藤芳行コーチを2008シーズン限りで解任することを
決定しましたのでお知らせします。

斎藤芳行(SAITO Yoshiyuki)
■生年月日:1961年8月13日(47歳)
■出身地:東京都
■選手歴:
暁星アストラジュニア-読売サッカークラブ(Jrユース、ユース、サテライト)       
■指導歴:
1982〜豊南SCコーチ
1990〜浦安JSCコーチ
1991〜明海大学監督
1994〜豊南SC監督/浦安JSCコーチ
※’95、’96、’97コーチ茨城県下館市サッカー協会技術部巡回コーチ兼務
2004〜浦安JSC監督
2005〜ベガルタ仙台コーチ
2006〜石神井アメックスジュニアユース監督/トライフットボールクラブアドバイザー
2007〜石神井アメックスジュニアユース監督/浦安JSCトップ、ユース、ジュニアユースコーチ
2008〜横浜FCコーチ
■その他:日本サッカー協会公認B級ライセンス

各社報道されているところではありますが、解任の記者会見の模様は、時事通信では

「理想を追い過ぎて安定感がなかった。それが自分の首を絞めた」
「3年間でじっくりやれると思ったので受けた。チーム作りが遅かったのは反省しているが、最近は(成長の)兆しが見えていた」

と述べたと報じられています。
1年間でのJ1復帰という目標を自ら掲げたからには、いかにじっくり取り組もうとしてもJ1復帰が至上命題であるのは分かっていた話だと思います。

そもそも自らの理想がどこにあるかもさっぱり分からなかったし、どうじっくり取り組もうとしてきたかもさっぱり分からないサッカー。
どうにも守備が出来ないと分かっていながらも右サイドをよーすけにこだわり続け、さらにエリゼウの使い方に悩み、吉本、ヤツ、戸川、ハヤといったDFラインの組み合わせも最後まで悩み続けました。
じっくり育てたいという反面、カズ、ヤマタク、アツ、こーやんといったベテランをひたすら使い続け、ヨンチョル、須藤は伸びきれず、健太郎、中野、大久保は最後まで昨年からの上積みが感じられず、コースケはアツの左SB起用で出場機会が奪われたり。特別指定の近藤などはついに顔も見ることなく指定解除となりました。

攻撃面でもアンジ、たろー、イケ、なんちゃん、御給という様々なタイプを臨機応変に使うことが出来ず、攻守に素早くて確実なトモキチは飼い殺しでした。
監督が横浜に残したものは、吉田、八角の成長くらいなものです。


サッカーは3年かけて優勝を決めるゲームではありませんし、横浜は自らの理想を追い続けるための道具でもありませんでした。理想を達成するために長期的な視野から育成しながら、1年1年の成績を追求するのが監督のつとめだと思います。
昨年までJ1にいた横浜の監督として3年契約で監督を引き受けるということは、J1降格チームとしてふさわしい戦いをして昇格争いに絡みながら、じっくりと若手も育てるというマルチロールが監督には必要でした。

若手選手を育てる指導者としては定評があるだけに、トップチームの監督としてではなく、育成部門で出会いたい人ではありました。
成績低迷だけではなく、選手から自信を奪い去り、これまで輝いていた選手から輝きを奪ったという事実からも自分は都並監督に「また会おう」とはとても言えません。


また、この解任についてスポニチ報道では、坂本社長が、

J2横浜FCは25日、スポニチ既報通り今季限りで都並敏史監督(47)を解任すると発表した。同時に斎藤芳行コーチ(47)も解任。坂本社長は「一生懸命やってくれたが、あまりに低迷しているとスポンサーとかいろいろ影響が出てくる。経営的に結構(順位は)大きい」と何度も「スポンサー」と「経営」という言葉を使い、昨年同様に責任を現場だけに押しつけた。

これには、昨年以上の怒りを覚えますね。
経営が上向かない理由を監督に押しつけるのはあまりに自分勝手な物言いだと思います。
スポンサー集めと、経営的に苦しいのはあくまでもフロントの責任であり、さらにいえば監督は勝手にうちの監督になったわけではなく、フロントが依頼して就任してもらったもの。
こんな一方的な言い方は許されるものではありませんよ。


来週末の最終戦後、会長の挨拶時はブーイング、覚悟しておいてください。