原発再稼働と電力不足の嘘。

みんなきちんと自分の頭で考えよう。
マスメディアが報じること報じないこと。きちんと与えられる情報から判断しよう。
その判断を行うためのサブテキストを添付します。

重大疑惑 なぜ消えた「原発なしでも電力確保」の関電文書

野田首相 大飯原発「再稼動」
 とうとう野田首相が、国民の反対を押し切って、原発を「再稼働」させる方針を固めた。30日開かれた関西電力大飯原発」の再稼働をめぐる3閣僚との会合で、「原発は日本経済にとって重要だ。最終的には私が判断する」と、近々、再稼働にゴーサインを出すと宣言したのだ。遅くても6月中旬までには、再稼働させるとみられている。
 原発推進派は「原発なしでは真夏の電力需要は賄えない」と、電力不足を煽(あお)って、一気に「大飯原発」を再稼働させるつもりだ。
 しかし、再稼働させないと本当に電力が足りないのか疑問だらけだ。ほんの2週間前、関西電力自身が「再稼働させなくても停電しない」と認めていたからだ。ジャーナリストの横田一氏が言う。
「大手メディアはほとんど報じていませんが、5月15日に行われた大阪府市エネルギー戦略会議で、関西電力は『再稼働なしでも停電させないようにする』という方針を打ち出し、資料まで配布しているのです。需給ギャップを埋める具体策や目標値も示した。資料には『吸気冷却装置を設けることで、出力向上運転を行います』などと対策が記され『これらの追加対応策により、停電を回避する』と表明しています」
 大阪府市の特別顧問である「環境エネルギー研究所」の飯田哲也氏にも、関西電力の社員から「この夏は再稼働しなくても大丈夫」というメールが送られていた。
 関西電力が「大飯原発」の再稼働を断念し、原発なしで夏を乗り切ろうと準備を進め、電力確保にメドをつけていたのは間違いない。なのに、野田首相が強引に再稼働させようなんておかしい。どういうわけか、関西電力も29日になって態度を一変させている。
大阪府市エネルギー戦略会議が29日に開かれたのですが、関西電力の説明資料から『再稼働なくても停電させない』という文面や数値が消えているのです。原子力村から、圧力がかかったとしか思えない。翌30日に、野田首相が『最終的には私が判断する』と、再稼働にゴーサインを出すと宣言している。タイミングを計ったとしか考えられません」(電力関係者)
 なし崩し的な「大飯原発」の再稼働は許されない。本当に電力が不足するのか、徹底的に解明する必要がある。

「どうしても原発を動かしたい関西電力の裏事情」
どうしても原発を動かしたい関西電力の裏事情

電気が足りないという事はどうもなさそうだな
じゃあ何で、足らすことができるのに、再稼働、再稼働なんだ?っていう話をわたくし古賀さんに聞いてきました。

  • 大阪市統合本部古賀茂明特別顧問:関西電力にこの間エネルギー戦略会議に行って、関西電力に質問してみたんですね。彼らが言っているのは「電力が足りないから動かすんじゃありません」と。「電力需給原発を動かすかどうかは関係ありません」というふうに、はっきり何回も聞いたんですけど、ハッキリ言いきりました。
  • 関西電力(エネルギー戦略会議4月24日):基本的には安全な原子炉は稼働させていただきたい。受給の問題とは切り離して考えております。夏場の需要とは、あの、関係を考えておりません。
  • 玉川:なんで関西電力はそんなに原発を動かしたいんだという事なんですか?これは何のためですか?
  • 古賀:これは、企業としての事情があるんですね。関西電力の純資産が今1.8兆とか、ま、2兆円弱あるんですけれどもその純資産を構成している資産のうちですね、原子力発電設備と、それから原子力の燃料。これを合わせた資産がですね、8000億から9000億ぐらい、大体半分ぐらいはあるんですね。そうすると、これをもう使えないんですという事になった途端にこれは資産ではなくなります。ですからその分資産からポン!と落ちちゃうんですね、
  • 玉川:なるほど、なくなっちゃう。
  • 古賀:そしたら、純資産1.8兆、1.9兆というところから、もう1兆円ぐらいまで落ちちゃうんですよ。で、その上に昨年度すでに3000億ぐらい赤字が出ていますね。これで損失が出てきますから、それに今年度も5000億ぐらい赤字になるかもしれないと言われていて、そうするともう8000億ぐらい。そうしたら純資産がほとんど食いつぶされて、ま、ちょっとだけ残るというような形になります。で、来年度また何千億か赤字を出すと、その時点で債務超過になってしまうという可能性があるという事ですね。
  • 玉川:債務超過っていう事は、要するに破たんですか?
  • 古賀:そうです。これは絶対に避けなければならないことですから、従ってもう、永久に動かす。(管内に)ある原子力発電設備は基本的に動かすんです。
  • 羽鳥:う〜ん・・電力不足には関係ないんですね。
  • 玉川:「関係ない」って関西電力が言っている訳ですから。つまり、「経営のために動かしたい」っていう事があるわけですよ。どういうことか?っていうと、古賀さんのインタビューの時よりも新しい決算が出たんで、その新しい決算に基づくと、純資産、資産から負債を、ま、貯金から借金を引いたものですね、それが1兆5000億円位あるんですよ。で、この中に、原子力関係の資産というのが、発電設備と核燃料を合わせると9000億ぐらい。で、これをもしか使わないという事になると、これが資産から落ちちゃうんです。そうすると、ここからこれを引くと、6391億円になっている。いま、赤字記帳です。赤字記帳で、2011年度に2400億を超える赤字で、これがあと2年ぐらい続くと、(純資産が)なくなっちゃうわけですよね。そうすると破たんだよと。いうことなんで、ともかく関西電力は動かしたいというのは、もちろん安全が確認されたらという事は関西電力も言ってますけれど、ただ、経営のために動かしたいんだと。だから電気が足りる足りないじゃなくて11基全部動かしたいんです。
  • 赤江:この理論でいくと関西電力はもう永遠に(原発を)続けていきたいと。
  • 玉川:永遠に原発を続けていかないとできないような経営状況というかね、そういうふうな形で今までやってきたんですよ。

原発をそれだけ増やしたっていう事はね。

  • 立花:関西電力は自分の会社が倒産しないために、原発をずっと動かし続けていきたいという事なんですね。
  • 玉川:それはそのように、そのまんま(関電は)言っています。それだけじゃないんですよ。実はですね、これはいま、バランスシートの話ですけれども、前に総括原価方式っていうのをやりました。これは、じゃあ利益ってどうやって決まっているんですか?って言ったら、資産に、たとえば3%とかをかけた分が利益なる。だから資産の部分がごそっと無くなると、資産から生まれる利益もごそっと無くなるわけですね。仮に原子力関係の資産が9000億だとしてこの3%だとすると、3×9=24ですよね、だから200何10億というお金が、毎年入ってくる筈だった利益が無くなっちゃう訳です。だからこれも大きいんです。

本当に関西電力は足りないの?

  • 果たして、本当に電気は足りないのでしょうか?まず私たちは政府の需給検証委員会の植田さんに聞きました。
  • 植田和弘:実はたとえば、昨年の夏ですね、東京電力管内、東京都では18%節電が出来たというのがあります。ところが関電が見込んでいる節電は(3%と)非常に少なくてですね、まあ、東京電力並みにやると相当需要を減らせるのではないか。これがひとつです。
  • 東京都の話を聞いてみますと、特に照明とか空調とかですね、ま、業務系のところで、あまり工場の輪番操業とか、土日シフトとか、なかなか続けられないと言われているようなそういうものではなくて、むしろビジネス的にも儲かったり、快適さを失わないで出来る節電。そういうものだけでかなりの節電が可能だったと、こういうことですね。

節電すれば経費削減にもつながり、ビジネスとしてもメリットが生まれます。今のところ関西電力の節電見込みはわずか3%。今年の東京電力の10%並みに節電はできないのでしょうか?

東京電力管内と同じく業務系が占める割合が大きく、関西でも多くの節電ができると植田さんはいいます。さらにもう一人、環境エネルギー政策研究所の飯田所長に話を聞いてみると、

  • 玉川:他電力会社からの融通って、これは?
  • 飯田哲也:これは、西日本全体の6社で、安定供給する体制を早く政府が背中を押してやればいいんですね。そうすると、関西電力は厳しくても、中部、中国、北陸のこの3社がかなり余裕があるんです。
  • 玉川:どのくらいあるんですか?
  • 飯田:本当に暑いピーク時でも、それでもなお900万kw余っているというのが我々の資産です。
  • 玉川:そうなんですか、
  • 飯田:それを全部関電に提供する訳にもいかないので、彼らの予備率を置いておいたとしても、ま、ざっと300万kwぐらいは融通できる余地があるというふうに我々は見たてています。

これに自家発電による電力を加え、関電が出す需給予測からトータルでどれだけの改善ができるのでしょうか?

  • 玉川:これ、実はですね、モーニングバード、去年からですね「電力足りるんじゃないか」っていうのは4回目ぐらいなんですよ。またやります。また新しい話が出てきていますんでね。で、ポイントが3つある。
  • ポイント1 東京並みの節電をする
  • 羽鳥:できそうな感じですよね
  • 玉川:そうなんです。これも工場を止めるとか、土日に工場の人に働いてもらうんじゃなくて、たとえばテレビ朝日があるようなこういうオフィス。こういうところの電気を間引いたりですね、それから28℃設定にするとかね、そういうふうな、そんなに苦しくない。
  • 羽鳥:廊下が真っ暗だったんですけど
  • 赤江:そうでしたね。特にでも不都合を感じずに暮らせましたものね。
  • 羽鳥:最初はね、「暗いな」って思ったんですけど、慣れてきたら「ま、この暗さでも大丈夫かな」って
  • 立花:楽しくなってきますよね、節電が。環境にいいことしているんだとか
  • 玉川:節約する事は日本人は好きですからね。で、たとえばですね、まず500万kw足りないって先ほど言いましたけれども、東京並み、東京は去年は18%節電したんですよ。今年は18%はなくても10%ぐらいはね、節約するだろうと、で、関西電力は3%って言っているんで、10%並みにするだけで212万kwの需要が落ちるんです。原発2基分よりも多いのね。再稼働する2基分はこれでも行けちゃうっていう話なんですね。
  • ポイント2 節電で供給力もUP!
  • 玉川:節電というのは実は、供給力もUPさせる。節電って今重要にきくっていう話をしましたが、実は供給にもきくんです。どういう事か?っていうと、これ、揚水発電の話になるんですが、揚水発電というのは夜の間に発電所から電気を送って、下のダムから上のダムにずーっと水を上げる、汲み上げる。これを昼になると、今度は上のダムからしたのダムに水を落として、ま、水力発電ですよ。それを供給する。これが揚水発電なんですが、これポイントになるのは発電出来る総量っていうのが決まっているんです。なんでかっていうと、この上ダムの水の量が決まっているんで、発電出来る総量というのが関西電力管内で3500万kwh。この面積、これが発電できる量なんですね。
  • フルで発電すると432万kw出せる。で、フル発電だと8時間程度しかもたない。ところが、例えば16時間とか持たせようと思ったら、同じ面積しか使えませんから、そうすると供給力が半分ぐらいに落ちちゃって、これは当たり前のことですよね。
  • で、節電がどう聞くか?っていう話なんですが、節電しないとこういうカーブになっていて、揚水を使わなくっちゃいけない時間っていうのが長くなるわけですね。
  • じゃ節電するとどうなるか?って言うと、この赤い線がぐっと下がりますから、
  • 羽鳥:赤い線は何?
  • 玉川:赤い線は需要です。黒い線が供給ですね。だから需要が供給を上回っている時間がこれだけあるんだけれども、節電してこの山をグーッと下げればですね、この部分(足りない時間)が短くなるんですね。短くなれば、揚水をフルで発電できる。というふうなことでフルパワー使えるじゃないか、ピーク時に。ということです。
  • さらに、夜節電するとですね、夜どんどん、どんどん電気を送って汲み上げをすれば満杯に出来ますよ、と。いまだと「満杯にできない」って言っているんですけど、この二つでじゃあどうなるか?って言うと、揚水216万kwがフルで使うとまた216万kwきます。432万kw。そうすると、この二つでもう400万kw超えましたよね?さっき足りないのは500万kwといいました。もうちょっとですね。
  • ポイント3 他社からもっと買おう!
  • 玉川:他社からもっと買いましょうよっていう事なんです。関西電力だけだったらやっぱり足りないかもしれない。しかし、隣の北陸電力中国電力中部電力。こういうふうなところでは飯田さんの試算によると、900万kw位はピーク時でも余裕があるだろうと、全部は無理だから、そのうちの3分の1ぐらいは送れるんじゃないか。それから自家発電も、さっき言った西日本全体で言うと、700万kwぐらいある、そのうちの100万kwぐらいは持ってこれるんじゃないかというと、超えちゃうんですね、もう。で、どれ位足りるか?っていうと
  • 333万kw足りる!
  • 足りないのが500って言ったのが300万kw以上足りる計算になりますよ、と。無理がない話ですよ、と。いうふうな話なんですね。
  • 羽鳥:計算上ですけれども、足りるんですね、やっぱりね。
  • 玉川:だから野放図に使えば足りませんよ。だけど「今年は大変なんです、皆さん頑張りましょう、知恵を出しましょう努力しましょう」ということであれば「足らすことができるんです」というところがポイントなんですね。
  • 赤江:関西だけなんで3%ぐらいしか節電できないというような数字が出るのか、
  • 玉川:関西の人ってそんなに節電嫌いですか?
  • 赤江:いや、むしろきっちりと、そういうの好きだと思いますよ。
  • 玉川:ねっ!、節約とか倹約とか大好きな筈ですよね
  • 立花:ピーク時だけ料金とか上げちゃえばね、
  • 玉川:ま、そういうのももちろんある
  • 立花:だからいくらでも工夫のしようがあるっていう事ですよね。
  • 玉川:そうです、工夫をしなければもちろんダメです。工夫はできるでしょう、私たち日本人は。