親善試合 ドイツvs日本

日本代表はレバークーゼンでホスト国・ドイツ代表と戦い2-2で引き分けました。
前半静かだったゲームは後半大きく動き、一時は日本が2-0とリード。「大丈夫かドイツ?」という展開に驚きましたが、終盤に入り日本はセットプレーから2失点。
結果は2-2の引き分けながら、両チームに不安を残す結果となりました。

ドイツ 2(0-0)2 日本

日本は、予想通り3-5-2でメンバーも予想通り。ドイツは欠場が予想されたバラックが右MFで出場しての4-4-2。

高原のモヒカンが寝癖にしか見えないということは内緒のままキックオフ。前半序盤は高さで圧倒されているのに、中盤、サイドから入るボールがハイボールばかりで、雨ということもあり、早く滑るグラウンダーを多用すればいいのにと思いながら見ていました。前へのボールはそういったことで、セカンドボールも含めてほとんど拾えない状況でしたが、DFが局面で踏ん張って互角に戦います。

日本の最初のチャンスは13分、高原→柳沢とつながったパスを柳沢がヒールで外へ流して、それを中田がレーマンの脇を抜こうとしますが、ここはレーマンしっかり反応してCKに。そのCKの競り合いで位置取りを争いシャツが破れるほどの引っ張り合いを演じた柳沢、ボロブスキー両者にイエロー。
続く16分には中村がボールを奪ってのカウンターから柳沢がキープして左サイドを駆け上がった中村へその中村から再び柳沢に渡りアウトサイドでシュートもこれはレーマンがエリアぎりぎりまで飛び出してキャッチ。
さらに19分左サイドであれ→中村ヒール→あれ→柳沢→あれとつながりクロス。これを高原が落とすもDFクリア。
攻撃ではなかなか良かったあれもCKからのカウンターでは、軽いプレーでバラックのシュートを許しますが、これは川口が当てて出します。

日本は左サイドでゲームを作りますが、ヤンセンシュバインシュタイガーに手間取る加地が守備に専念せねばならず、右でゲームが作れません。
しかし前半も終盤に入ったところで右サイドにアクシデント。右大外、高原からボールを受けたところで加地がシュバインシュタイガーにバックチャージを食らい、倒れる際に右足をひねって負傷退場。見たところ、スパイクがピッチに引っかかる感じはなかったので軽くひねったくらいだとは思いますが、大会に向けて心配なところです。
そのまま39分には加地に代わり駒野が右サイドに入りますが、駒野の若さあふれる積極的なプレーが右サイドでも日本優位を作り出すことにつながりました。

前半日本の最後のチャンスは40分、中村の右からのFKに高原が競ったこぼれを中田、さらに中澤とシュートを放ちますが、これはレーマンの正面へ。

その後はシュナイダーにクローゼとのワンツーで抜け出されてシュートを放たれたりもしましたが、前半は予想に反して日本の善戦、というかドイツのだらしなさが目立ち0-0の同点で終了。


得点の動きが少なかった前半に比べると後半はずいぶんとゲームが動きます。
中でも目立ったのは中村俊輔スコットランドでの1年は、周囲の心配をよそに彼にとって実りの多いものだったようで、ドイツの大型選手の寄せや激しい当たりにも簡単に倒れることのないフィジカルを手に入れていました。

すると6分、中村からパスを受けた駒野が右サイドをゆったりと上がって中の高原へ早いクロス。これは高原に合う前にレーマンがキャッチ。さらに7分、中田、あれの崩しから高原が縦に抜け出し、ゴール右で待つ柳沢へ柳沢はDFとGKを見ながらシュートを放ちますが、おしくもDFがスライディングでブロック。
後半に入ってから続く日本の攻勢が実ったのは12分。中村ボール奪取からフェイントで相手をかわして前線の柳沢へ。その柳沢はダイレクトでラインの裏にスルーパスを出し、高原が完全に抜け出してレーマンと1対1。シュートもレーマンの右を抜いて豪快に決めなんと日本が先制してしまいます。

ドイツは失点に伴いオドンコーをいれて来ますが、その直後の18分危ないシーンが。CKのこぼれが日本DFの間に落ちて一瞬対応が遅れるシーンがありましたが、これは何とかクリア。
すると20分、右サイドで高原、駒野、中田のつなぎから最後は駒野がグラウンダーでニアへ。これをトラップから反転した高原がDF2人を置き去りにして右足で左へ打ち抜くシュート。これが決まって、なんとなんと日本は2-0とリードしてしまいます。

本気でドイツを心配してしまう僕。しかし好事魔多し。「粋な計らい」を求め、エリア内でダイブを繰り返すドイツでしたが30分、セットプレーでの集中欠如というやってはいけないミスで日本は失点。左サイドからのシュバインシュタイガーのFKがファーへ飛ぶと、宮本が簡単にクローゼに身体で倒されてフリーにしてしまい、決められて1-2の1点差。宮本は中村を見習うように。

攻勢に入るドイツに対し、日本も大黒を入れてカウンターからの抜けだしをねらいます。しかし35分、またも日本はセットプレーでやられます。
右サイドからのシュナイダーのFK。壁の左を抜けてニアに飛んだボールに真っ先に飛び込んだのはシュバインシュタイガー。マーカーの柳沢は完全に見学状態で、やすやすと同点にされてしまいます。今日良かった柳沢ですが、これは痛恨のミス。

すると柳沢に変えて玉田が入りますが、今日も玉田は仕事せず、というか全然目立ちませんでした。あれならまだ巻を入れてロングボールに対応できるようにした方が良かったでしょう。
38分には、中田のすばらしいスルーパスに大黒が抜け出してシュート体制に入りますが、身体が前に行ってしまい、引っかかる感じになったシュートはグラウンダーでレーマンの身体に当たります。浮いたシュートであれば入っていたでしょうから残念でした。

セットプレー守備での日本の不安定さは最後まで続き、39分には右CKからバラックにフリーでヘッドされますが、これは枠の上。
逆に40分には中村が右からファーへクロス、ファーで待っていた中田が中へ折り返し、大黒が押し込もうとしますが、身体を寄せられてシュートしきれず。

最後のチャンスは46分中田の右クロスを大黒が落としてエリア内で福西がキープ、さらに左のあれへ渡り、あれが1対2の無理な突破をはかり相手に奪われます。ここはパスを選択していれば分からなかったでしょう。

結果日本はホスト国・ドイツから2点を先行しながら追いつかれるという惜しい試合をしましたが、流れの中での2得点を含めて、玉田以外のFWのコンディションがとても高いことが分かりました。中田、中村、福西もいいプレーを見せていました。
マルタ戦、大会に向けての不安点は加地のけがの状況、セットプレー守備の修正、相手がサイドで攻めてきたときの対応の3点でしょうか。

川口 5.5:セットプレーでの2失点。コーチングはばっちりだったか?流れの中では押さえていただけに残念。
宮本 5.5:1失点目クローゼに簡単に倒されたシーンは要反省。流れでの中では文句なし。
坪井 5.5:可もなく不可もなく。
中澤 5.5:流れの中では少し淡泊なプレーが気になった。
あれ 5.5:加地が代わるまでの左での攻撃参加は良かったが、相変わらず軽いDFが怖い。加地 5.0:ドイツ右サイドに手を焼き、やっとゲームに入り込めたところで負傷交代。まずは治療に専念してほしい。
中田英 6.5:中盤の底から冷静にゲームを組み立てた。
中村 6.5:フィジカルの強さも手に入れて、攻撃のタクトをふるった。
福西 6.0:強いフィジカルはドイツにも通用。
高原 7.0:2得点は見事。この調子を大会まで維持してほしい。
柳沢 6.0:シンプルなプレーを心がけて、いいアクセントになった。セットプレー守備のミスが惜しい。
駒野 6.5:急な出場ながら、右サイドで打開するシーンも目立った。
大黒 5.5:途中出場で裏への意識を高く持ってプレーしたが、決定機を2度外す。
玉田 5.0:ドイツまで行ってる人間にいいたかないけど何しに来た?