J2第28節 対サンフレッチェ広島@ニッパツ三ツ沢

横浜FCは酷暑のホームニッパツ三ツ沢で首位を走る広島と戦い、前半に負傷退場でアツを失いながら善戦しましたが、久保のくそったれの勝ち越しゴールで敗戦しました。

敗れたながらも、ミスからの失点はあったものの岩丸の落ち着いたセービングを見れたのは収穫でした。

横浜FC 1(0-0)2 広島

  • 19:03キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場 入場者数:5,666人
  • 得点
    • 横浜 池元(65分)
    • 広島 青山(63分)、久保のくそったれ(79分)
  • 警告
    • 横浜 根占(79分)
  • 出場選手
    • 横浜 GK岩丸、DF中田洋(81分 中野)、エリゼウ、吉本、三浦淳(28分 太田)、MF八角、根占、山田、滝澤、FWアンデルソン、池元(74分 三浦知)。 <サブ>GK大久保、FW長谷川
    • 広島 GK佐藤昭、DF槙野、森崎和、盛田、MF李(81分 結城)、青山、森崎浩、服部、高萩、柏木(67分 桑田)、FW佐藤寿(77分 久保のくそったれ)。 <サブ>GK原、MF岡本

昼間の猛暑がまだ残る18時キックオフのゲーム。
しかしひと雨来そうで来ない曇天となったものの、試合開始とともに涼しい風が吹いてきて、まずまず快適なゲームとなりました。
主審東城というアナウンスに激しく不安を抱いたものの、今日の東城主審はなんとも安定した好ゲームに水を差さない良いジャッジの見本を見せてくれました。えらいぞ。

さて試合の方は、最終ラインからじっくりとボールを回して中盤の連携から、サイドも絡めて佐藤寿人へボールを収めようとする広島と、中盤でのパスカットから素早く前線へ展開したい横浜のせめぎ合いからスタート。
5分最初に横浜がアンジ、イケ、ヤマタクと絡んで、最後はよーすけのシュートで終わる攻撃を見せると、広島も12分に左からのクロスに柏木が飛び込む恐ろしいプレー。

しかし横浜は、他のJ2チームなら通ると思われるラスト1、ラスト2のパスを広島の中盤の底〜DFラインで奪われることで、自然手数をかけてじっくり攻める雰囲気になってきてしまいました。
そんな中でも広島がかさにかかって攻めてこなかったのは、横浜にとってありがたかったと思います。

23分、広島の堅守の網を抜けてやっとラスト2パスがつながりシュートまで持ち込んだのですが、その直後の24分、アツが太ももの辺りを普通のプレーで痛めてしまいます。歩いて外に出たとたんにトレーナーから×印が出て、28分にコースケと交代。コースケはユース代表でともに闘った柏木と握手してポジションに入りました。
それにしても、前節の八田、今節のアツ、だけでなくカズ、ヤマタク、よしもっちゃん、タローなど、今年の横浜はけが人が多すぎます。
これはやはり喜熨斗フィジカルコーチの不在が痛いのかなと思います。各所で指摘されるフィジカルの弱さも踏まえてやはりフィジカルコーチは重要だな、と心から思いますね。

試合は互角の展開のまま進み、33分には佐藤寿人に右クロスを合わされ決められるもこれはオフサイド
そして今日一番の収穫だったのがイワマール。昨年は練習試合でも凡ミスを連発し、たった1試合出場した4月のナビスコカップ大分戦の不安定なプレーからの失点で、サブGKとしてのポジション確保のチャンスも失ってしまったイワマールとは思えないプレーで横浜のピンチを再三防ぎます。

前回の日記でも書いたように城の引退試合では非常に落ち着いた守りを見せていたので、期待はしていたのですが、不安半分でしたが、37分のスーパーセーブでのってくれたようで、ここからは「オレのイワマール」呼ばわり。
DFが安定すると前線も活気づくもので40分にはアンジがスーパーミドル、これはGKがはじくも、45分にもアンジがカウンターで抜け出すプレー、これはハンドでしたが、良い動きを見せて前半終了。
前半の広島は、最終ラインからじっくり回してはいるものの、チーム全体が余裕を持って試合に臨みすぎの印象を受けました。


さて後半。いきなり3分に右からのクロスで危ない場面を作られますが、ここもイワマールが落ち着いて処理。
キャッチ後や、プレーが切れた後のゴールキックのタイミングなどもコーヤンと違って、「はずす」ことが少なく、しばらくGKはイワマールでいいんじゃないか、とここまでは確信させるプレーぶりでした。

攻撃面でもコースケの良いクロスや、視界が広くなり、周りをずいぶんと使えるようになってきたアンジのプレーでチャンスを作り出し、アウェイ広島戦の時のような、手足をもがれた印象はありませんでした。

しかし好事魔多し。
18分、またもファインセーブを見せたイワマールの、試合経験の少なさから来る気のゆるみが相手に先制点を与えてしまいます。
しっかりキャッチした後のゴールキックの行方を見届けずに、ゆっくりとゴールマウスに戻ってしまったイワマール。
しかしゴールキックは青山にダイレクトに渡りイワマールの動きをしっかり見ていた青山にぽーんとゴールマウスに放り込まれてしまいました。
ここまで良いプレーを見せてきただけに痛すぎる失点でした。

しかし、ここで終わらないのが今日の横浜。その直後の20分、池元がドリブルで中に切れ込んでDFをかわしてすばらしいシュート。これが決まってすぐに同点に追いつきます。
イケは序盤からドリブル突破を再三試みては、広島の最終ラインに跳ね返されていたので、今日は福岡戦のようなゴールは期待できないか、と思っていましたが、見事に結果を出してくれました。
試合中にもきっちり進化を見せてくれるイケ。さすがです。

ここからまさにイケイケムードになり、みんな動きがキレているだけに、交代カードをどう監督が使ってくるかが鍵になりましたが、ここでみんなの不安を裏切らないのが都並監督。そして機を見て敏に的確な交代カードを切ったのがペトロビッチ監督。
29分に池元に代えてカズを投入。サイドではなく、トップでカズを使うという判断でしたが、ここで速さで相手を凌駕できるタローを投入していたら、今日の結果は逆に作用していたのではないかと思います。

対する広島・ペトロビッチ監督の取った手は、32分疲れの見えてきた佐藤寿人に代えて、久保のくそったれをトップに据えて前線でくさびを作る方法。
これが見事に当たって、交代直後の34分、服部からの左クロスをドンピシャで押し込まれて、再びリードを奪われます。
横浜は直後の36分にヨースケをはずしてサンフレッチェユース出身の中野を投入、パワープレーに出ます。ユータは、これがJデビュー戦となります。トップに張ってチャンスを引き出そうとしますが、得点には至らず。

カズもドリブルで突破を図ろうとしますが、単身での突破は難しく、エリア内でのパスは相手に奪われて得点を奪うことは出来ません。
結果、そのまま試合終了で、1-2で敗れてしまいました。


今日の試合、選手からは勝とうという気迫が読み取れました、みんな120%の力で勝ちに向かってどん欲にプレーしましたが、広島の壁は厚かったです。
そして、またも監督采配が勝負を分けてしまったことを本当に残念に思います。

これで1位広島とは勝ち点差31、2位山形とは17、3位鳥栖とは15と、回復不能なまでに勝ち点差が離れてしまいました。すでに昇格は遠き夢ですね。
次節来週日曜は勝ち点差12のセレッソ、その次はまたもアウェイで熊本です。アウェイ2連戦、なんとか結果を出して三ツ沢に戻ってきて欲しいものです。
イワマールのスタメンのめどが付いたこと、ユータの可能性を感じたことは大きな収穫でした。

さて、採点です。

  • 岩丸 5.5:すばらしいセーブを連発してくれた。つまらないミスからの失点はあったものの、スタメンとして十分な働きが出来ると思う。こーやんよりイワマール。
  • 中田洋 5.5:服部を失点まではしっかりと押さえつけた。カバーリング型のエリゼウとの方が対人型のヤツとの右サイドコンビより合ってる感じ。
  • エリゼウ 5.5:よーすけのカバーリングも有効で危なっかしいパスもあったがまずまず。
  • 吉本 6.0:アツのカバーもしっかり出来ていた。効いてました。
  • 三浦淳 5.5:交代するまで動きもよかっただけに怪我が心配。
  • 八角 5.0:中盤でボールを奪われることが多かった。
  • 根占 5.5:今日もフィールドを広く使えていた。
  • 山田 5.5:右サイドで良い突破を何度も見せていた。
  • 滝澤 5.0:トップ下としての働きが多かったが、サイドにはらせた方がおもしろいのは自明。
  • アンデルソン 5.5:人を使えるようになってきた。後は自身のゴール。
  • 池元 6.0:前半はドリブルを押さえ込まれていたが、後半しっかり修正してきた。
  • 太田 6.0:急な出場だったが、さすが。
  • 三浦知 5.0:アクセントにはなったが、決定的な仕事は出来ず。
  • 中野 5.5:J初出場おめでとう。