J2第4節 対徳島ヴォルティス戦@ニッパツ三ツ沢

横浜FCは、開幕3連勝同士の徳島とホーム三ツ沢で対戦。
首位決戦にふさわしいすばらしいゲームを見せてくれましたが、審判に試合を壊されて1-2の敗戦となりました。

横浜 1(0-1)2 徳島

  • 16:03キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場 入場者数:4,583人
  • 得点
    • 横浜 大黒(80分)
    • 徳島 津田(11分PK、74分)
  • 警告
    • 横浜 難波(73分)、渡邉(79分)
    • 徳島 日野(70分)、津田(92分)、佐藤(93分)
  • 出場選手
    • 横浜 GKシュナイダー、DF柳沢、金、渡邉、田中(45分 片山)、MF小野(78分 エデル)、シルビーニョ、寺田、高地、FW大黒、サーレス(45分 難波) <サブ>GK関、DF戸川、片山、MF根占、FWエデル、西田、難波
    • 徳島 GK日野、DF平島、ペ、三木、輪湖、MF倉貫(87分 六車)、濱田、青山、柿谷(65分 島田)、FW津田、平繁(82分 佐藤) <サブ>GK上野、DF橋内、八田、MF六車、島田、FW徳重、佐藤

試合内容は攻め込んでペースを握る横浜と引いて守って前線のスピードを生かしたカウンターにかける徳島。
早い時間に先制されたことで90分通してそのようなゲーム展開が生まれました。
ゲームだけを抽出すれば結果としての堂々の好ゲームではありましたが、その流れをブツブツとぶった切り、試合をぶちこわしたのは主審・河合英治。J1副審34試合、J2主審10試合、J2副審40試合という素人審判でしたが、アマチュアのような判定を90分間繰り返し、徳島の得点はいずれも判定がらみ、という皮肉な結果となってしまいました。

試合は、序盤から好試合を予感させる展開で動きます。
1分右サイド柿谷の突破をタイミング良く柳沢がカットしてのカウンター、2分には大黒のインターセプトからチンが抜けだしてシュートを放ち、相手GKが弾いて惜しくもCKに。さらに8分にはチンが今度は中央突破からシュートするもGKがキャッチといいテンポで試合を進めます。

しかし好事魔多し。意外な形で先制点は徳島に。
徳島は右サイドの柿谷、2トップの津田、平繁の速さが目立っていましたが、10分イーブンボールでの田中のごく普通のボディチェッキングをPKと取られてしまいます。
いきなりの河合主審の誤審にスタジアムは色めき立ちますが、PKは津田に決められてしまい、今シーズン初めてのリードを許します。

ここからは終始攻める横浜vs引いて守って前線3人のカウンターという構図が続くことになります。
14分高地が倒されていい位置でフリーキックも合わず、16分には大黒とチンのいいコンビネーションから崩すも、サーレスが持ちすぎてシュートまで持ち込めず、17分にはチンが難しめのボールに追いつきダイレクトクロスを上げるもラインを割ったプレーなど、特にチンが大黒と絡んで自在にポジションを変えてチャンスを作ろうという意識が高かったと思います。

しかし白熱したゲームに水を差す主審河合、ボディチェッキングに対する判定も基準が曖昧で、足を腕より上げるプレーはほぼファールと試合の流れをぶち切りまくります。
22分に大黒がサーレスのパスに詰めるシーン、23分には高地の中央へのヘディングをサーレスが頭でゴールへ送り込もうとしますが、GKがキャッチ、30分には左から中へ切れ込みシルがそのままシュートするも枠上に。
35分の高地FKからのファーのユジンのヘッドも惜しくも枠を捉えず、44分の大黒のシュートも枠を越えてしまいます。

押し気味の展開の中、いつ同点ゴールが生まれてもおかしくない展開ながら徳島DFに粘られて得点を奪えずに0-1で折り返します。
横浜DFはボディチェッキングに対する判定によく修正し、身体を寄せつつもラストパスをしっかりとカットして徳島のカウンターに対抗していました。
攻撃の起点がDFラインでのカットから始まるものが多く、中盤での攻撃の展開に乏しかったのが前半の印象でした。


さてこの状況を打破すべく、岸野監督はハーフタイムから動いてきます。
より前掛かりを徹底させるべく左SBをテルから縦の突破が出来るカタへ。さらに前線でポストがなかなか機能しなかったサーレスに変えてなんちゃんを投入します。

積極的に前線でチェイシングするなんちゃん。横浜は攻撃の手をゆるめません。
2分にはCKからの流れでシルビーニョが2回チャンスを作り出し、5分にはチンからの良いパスを受けてナンちゃんがダイレクトシュートもサイドネット、さらに7分には左から中へ切れ込んだチンがシュート。

そして後半20分、柿谷に代えて横浜の天敵、島田がピッチに。
25分の相手ゴールエリアでのゴタゴタでピッチが落ち着かない中、29分に右コーナー付近で与えたFKを島田がニアの津田に当てて、そのままゴールに流し込まれてしまいます。
2点目も不可解な判定からのゴールということで、スタンドはイライラが包み込みますが、こんなイライラを一掃してくれたのは大黒。

33分に今日はなかなかゲームを作りきれなかったトモキチからエデルにチェンジし、エデルが右サイドに入ると横浜の攻撃はまたシフトアップ。エデルのスピードとテクニックで何度も徳島ゴールへ迫ります。
そして35分、そのエデルの右クロスを大黒が得意な位置で左足で押し込んで1点差とします。

あと10分、さらにロスタイムも5分と長めの中、十分に同点に追いつき逆転するチャンスはあると思いました。
徳島は残り10分から延々と時間稼ぎを続けますが、その中でも40分の左からのエデルのパスを中央のチンのシュートや、ロスタイムのエリア左側からフリーキックにシュナイダーまでゴールマウスを飛び出してしかもゴールのチャンスを作る等惜しいチャンスはありましたが、タイムアップ。


負けはしましたが、ヘボ審判の判定に負けずに好ゲームを繰り広げた横浜の選手達にはスタンドから惜しみない拍手が降り注ぎました。

横浜はこのあとまたしても2週連続のアウェイ富山、千葉と続き、ホームで熊本を迎えます。
ここをしっかりと勝ちきれば、まだまだ4試合。首位争いを団子に持って行けると思います。

  • シュナイダー 6.0:安心感のあるコーチング、安定してきたフィード、そして最後の攻撃参加など、勝とうという気迫が多くみられた。
  • 柳沢 6.0:豊富な運動量で横浜のDFラインを支え続けた。
  • 金 5.5:判定のブレに素早く対応し、足技でピンチを防ぎ続けた。
  • 渡邉 5.5:不安定なフィードは相変わらずだが、最終ライン流れの中では対応できていた。
  • 田中 5.0:PKを与えたプレーは不運だったが、リードされているのに攻め上がりの意識に掛けていたのは残念。
  • 小野 5.0:中盤での攻撃のオプションが欲しいところ。トモキチなら出来るはず。
  • シルビーニョ 5.5:攻撃の起点になろうとはしていたが。
  • 寺田 6.0:豊富な運動量で大黒とのコンビでチャンスを作った。
  • 高地 5.5:今日は得意のポジショニングに翳りがあった。
  • 大黒 5.5:ゴールは見事だったが、まだまだやれるはず。あと2点は「大黒なら」取れたはず。
  • サーレス 5.0:前線でのポストという求められたプレーはこなせず、前半で交代。
  • 難波 5.5:プレー自体良かったし、前へ前への意識はチームに勢いを与えたが、今日は味方のシュートがなんちゃんの頭にどんぴしゃりだったのが残念。
  • 片山 5.5:左後ろからの攻撃というオプションを完遂。いいアクセントになった。
  • エデル 6.0:90分みたいパフォーマンスを披露。流れを一気にたぐり寄せた活躍だった。

マンオブザマッチは文句なしで主審河合。まさに試合を作り上げた人間です。
試合後は満場のブーイングでアウェイ側からベンチルームに消えていきました。
あんなひどい主審を使う意味が分かりませんし、すばらしい首位決戦に水を差されてとても残念です。
試合内容としてはPKなしで引き分けというのが妥当なスコアだったのではないかな、というのが試合後のさめた頭で考えた結果。
敗れはしたものの試合終了後も、スタンド裏からは面白かった、目が離せない、という好評が聞かれ、暗い雰囲気ではありません。
やろうというサッカーは見えているし、それがサポーターにも伝わる。
結果こそ伴っては来ませんでしたが、十分に戦えるサッカーを見せてもらえたと思います。