福島県本宮市より
妻の実家、福島県本宮市は福島第一原発から45kmの距離にあり、3/11の震災で6弱、4/11の地震で5弱を記録しました。
3/12の水素爆発によると思われる放射性物質の飛散も市内各所で認められました。
3週間くらいの間、物資の流通が完全にストップしました。
現在も一部宅配便ではなぜか受付を拒否されています。
妻の実家では、地盤が緩んでしまっているため、基礎が完全に逝っており、現在かろうじて住んでいますが、家の傾きはひどくなっているので、いずれ地盤の工事からやり直しです。
しかし現在のところ罹災証明は半壊、扱いです。
家は建て替えなければいけない、ということであきらめはつきますが、今住民が恐れながら甘受しなければいけないのは放射能の問題です。
今、本宮の町を歩くと、農作業と買い物以外に人を見ることはありません。
外に洗濯物を干している家を見ることも稀です。
東京の現在の放射線量0.06μSvに対して、1μSv。3/17の10μSvをピークに下がり続けていますが、ここ1カ月ほどは1μSv程度で推移しています。
それよりも、深刻なのは4/12に発表されたニュース。
3/12の水素爆発により飛散したと思われる、ストロンチウムが3/19に植物から検出されたことです。
ストロンチウムは半減期が29年、摂取することで骨内のカルシウムと置換されて白血病を引き起こす物質です。
にもかかわらず、4月に入ってから農協は耕作の許可を出していました。
農業で生計を立てていれば例え結果として収穫物に放射性物質が検出されたとしても東電に補償してもらうことができるので、作らざるを得ないのです。
しかし、家庭で自産自消している人たちは耕作することもできず、畑を放棄したままにせざるをえません。
そして地表面の除染を一刻も早く行わなければいけなかったのに、何もしてこなかったため、ついに下水汚泥から放射性物質が検出される事態に陥っています。
放射性物質による被害は、半径30kmどころではない広い範囲で起こっているのです。
忘れられがちな被災地、福島からでした。