*book*[読書]2011年の10冊
今年はほとんどCDを買っていません。よって「今年の10枚」は割愛することになりそうです。
ちょっと早いのですが、今年の10冊をご紹介致します。
今年は210冊の本を読みました。
病気で休んでいる間にたくさん読めましたが、自転車の本もたくさん読んだことが読書数の増加につながったと思います。
さらに中島京子近藤史恵有川浩原田マハといった魅力的な女性作家とも出会えました。
読書人としてはいい年でしたね。

1位 「つるかめ助産院」小川糸
今年の最後の最後に良いお話を読ませてもらいました。
今回のテーマは新しく産まれてくる命と、自分の使命。それを自然の中で助産院の手伝いをしながら身につけてしっかりした人間に育っていくまりあの成長譚でもありました。これも最後は涙涙。

2位 「これからの誕生日」穂高
生かされた者の苦しみ、残された者の苦しみ。そしてその苦しみの底から沸いてくる絶望や、憎しみがどう愛と生きる力に結びついていくのかをしっかりと書ききってくれました。

3位 「翼を下さい」原田マハ
実在の女性飛行士アメリア・イアハートとその行方不明の謎を原田マハ風に謎解きしながら、青春と恋愛を絡めてとても楽しいお話にしてくれました。
リンドバーグに勝るとも劣らない業績を残しながら、日本では数えるほどしか主人公になったことがないアメリアですが、今回は完全なフィクションではありますが、生き生きとした女性の姿を描いてくれています。
「キネマの神様」も良かったですが、こちらを推します。

4位 「サクリファイス近藤史恵
自転車に乗り始めて、初めて興味を持った作品。
著者はこの話を書く前は自転車に乗れなかったそう。
ロードレースを舞台にミステリーが進行しますが、自転車に乗らない人は自転車に乗りたくなること請け合いのお話です。続編も2冊出ており、併せて読むことをオスス
メ。

5位 「風の陣 烈心篇」高橋克彦
「風の陣」は、749年に陸奥で黄金が発見されてから780年に起きた鮮麻呂の乱までを描いた、実質大和朝廷に支配された後の東北の動向を牡鹿嶋足、物部天鈴、伊治鮮麻
呂を主人公に描いた5篇に及ぶ大作。
青春小説に始まり、恋愛もあり、中年の挫折も経ながら、ラストは泣ける漢のドラマ。
中世東北に吹き溜まった風が全て吹き抜けていったような読後感でした。

6位 「ペンギン・ハイウェイ森見登美彦
少年とその友達、そしてライバルとおっぱいの大きな不思議なお姉さんやペンギンを登場人物に、いつものように森美登美彦らしいほんわか不思議でユーモラスなお話を描いています。
森美登美彦には珍しく京都以外で繰り広げるお話です。

7位 「ゴールデンスランバー伊坂幸太郎
映画も大ヒットした伊坂幸太郎出世作ですね。
いつものようにビートルズの名曲を軸に起きながら、圧倒的なストーリーラインのサスペンスをスピーディな展開と何度となく続くカットバックで見事に描いています。
最後に迎える心温まるエンディングで幸せな気分にしてくれました。
「週末のフール」も良かったですが、こちらを推します。

8位 「聖夜 School and Music」佐藤多佳子
「School and Music」第二作目。
「第二音楽室」は短編でしたが、これはそこからはみ出した長編です。
両親に反発しながら、オルガンでの超難関曲に挑む少年の恋や挫折をみずみずしく音楽に乗せて軽やかに描いてくれました。

9位 「新 歴史の真実」前野徹
ちょっと古い本ですが、全ての日本人に読んで欲しい、近・現代の正史。真の愛国心(PATRIOTISM)を育むためにも必読の書です。僕の考える愛国心は後から押しつけられるナショナリズムではなく、もっと土俗的な土地からわき出るような愛国心です。

10位 「冬の童話」白川道
大作「竜の道」を展開中の白川道ですが、登場する女性が描いた小説という設定で、大人の恋を情感たっぷりに描いてくれました。最後は涙涙。