ローバー破産

tatsumine2005-04-08

英自動車メーカー・ローバーが経営破綻 政府が支援拒否

ということで、上海汽車工業総公司との提携交渉が決裂したMGローバーが経営破たんしました。

とはいえ、ぼくが乗っていた114を作ったカーメーカー、ローバーはその歴史の中でも様々な合従連衡を続けてきました。
1929年に設立され、高級車を作っていたものの、70年代に、ブリティッシュ・レイランド(国営)に吸収され、80年代にブリティッシュ・エアロスペース社に売却。ここでローバーの名前が復活します。

レイランド吸収までの間に「モーリス」、「オースティン」、「ウーズレイ」、「ライレー」、「トライアンフ」といったブランドを持っていましたが、結局乗用車ラインのローバーと、スポーツカーラインのMGの名前で商品展開。
1990年にはホンダと資本提携し、オリジナルの100、コンチェルトベースの200&400(200はその後オリジナルに)、アコードベースの600、レジェンドベースの800などを生産、販売。日本車の信頼性とイギリス者の内装を持つ車として好事家の間で人気がありました。

しかし1994年ドイツの自動車会社BMWに買収されたのが転落の始まり。BMWの業績不振の責任を取らされるようにBMWは2000年にローバーブランドを放り出します。
それも、看板ブランドであるランドローバーをフォードに売却、同じく看板ブランドであるミニは自らの傘下に置いたまま、というローバーを馬鹿にしているというか歴史を踏みにじっているとしか思えない所業です。しかもその間の6年間BMWがやったことはすでに開発がローバーの手で進んでいたランドローバー・フリーランダーBMW開発によるレンジローバー、及びMINIのフルチェンジ、と高くフォードに売りつけるためと自分のところに置いておくブランドの商品開発しかしておらず、肝心の乗用車開発は全くなし、99年発表の75のみという情けないラインナップです。

さてイギリスの投資グループのフェニックス・コンソーシアムに僅か10ポンドで売却されたローバーブランドはBMWに「MINI」、「ウーズレイ」、「トライアンフ」のブランドを取り上げられてしまいました。いずれイメージだけ変えたBMWのくるまにバッジをつけただけのトライアンフとか出すつもりなんでしょう。とにかくこの出来事でぼくのBMWに対するイメージは地に落ちました。

MGローバーとして再出発したブランドですが、当然自社開発の新車など出せるわけもなく75のほかは東南アジア製のハッチバック小型車をMGブランド等で細々と出すだけのメーカーになっていました。
さまざまな変遷を経てきましたが、とりあえずここでイギリスのドメスティックブランドの一つが消えることになります。

BMWと提携交渉する際、ホンダも手を差し伸べたそうです。それを振り切ってBMWに打ってしまった時点で、ローバーの命脈は尽きていたんでしょうね。