J2第35節 対コンサドーレ札幌@西が丘

横浜FCは三ツ沢芝養生期間最終戦西が丘サッカー場で札幌と行い、城のゴールで先制したものの、メンバー交代でゲームを積極的に動かした札幌に同点に追いつかれて引き分けに終わりました。
積極的に試合を動かしていく監督の姿勢がゲームの明暗を分け、札幌としては苦しい試合を引き分けに持ち込み、横浜としては勝てるゲームをみすみす落としてしまう結果になりました。

横浜FC 1(0-0)1 札幌

19:00キックオフ 西が丘サッカー場 入場者数4,331人

得点

  • 横浜FC 城(58分)
  • サポーロ 相川(67分)

警告

  • 横浜FC 曽田(55分)、金子(71分)、中山(76分)

出場選手

  • 横浜FC GK菅野、DF早川、トゥイード、浮氣、中島、MF北村、内田、山口、吉武(84分 小野智)、FW三浦知(72分 富永)、城 <サブ>GK小山、MF小野信、貞富
  • 札幌 GK林、DF池内、曽田、和波、MF金子、鈴木、加賀(67分 岡田)、砂川、西谷(88分 石井)、FW相川、清野(53分 中山) <サブ>GK高原、DF権東、FW石井

朝から降ったりやんだりを続けた雨は、試合直前になって勢いを増しましたが、キックオフから程なくしてほとんどやみました。高田、望月の加入挨拶が行われましたが、そのときは、結構降っていたので、2人にはちょっとかわいそうな挨拶でしたね。しかし高田の「チームが一つでも上の順位に行くように、全力で戦います」ともっちーの「これから横浜FCのために頑張ります」の言葉を信じて応援しますよ。

東芝時代からの在京札幌サポがかなり多く西が丘を訪れ、バックスタンドは団体客の入れ込みと、横浜FCサポとのバランスを考えてアウェイ側にはほとんど席を設けていないこともあり、ゴール裏の立ち見席の人数は札幌の勝ち。

前節アウェイで甲府と引き分けた横浜は、前節と全く同じスタメン、サブは高田に代えて小野信義がメンバー入りです。僕の危惧していた富永、貞富を両方サブに入れるのは、やはりユースケ☆アダチ監督ですから当然。そして結果的に、貞富を投入するシチュエーションが全くないのも当然。
対する札幌は本来CBの加賀を右ウィングに起用するというこちらも前節からの起用法を踏襲したもの。ただ、トップにけが人が多く、今節も相川、清野という怖さのないメンバーでした。


試合は序盤から横浜が押し気味で、横浜の右サイド中心に攻防が続きましたが、双方ミス多い展開。1分には横浜国際での札幌戦の悪夢のように、吉武が左サイドでディフェンスしきれず、簡単にクロスを上げられますが、相手のシュートミスでサイドネット。助かります。

横浜は左の吉武を中心に何度も札幌陣内に攻め込みます。18分にはカズのFKが壁に当たり跳ね返りをボレーシュート、しかしこれはGKがキャッチ。22分にも城のキープを受け取って深いところからクロスを上げたり、24分には自ら内へ切れ込んでシュートを放つなど攻撃の中心に。
札幌はフィジカル面で不安定で真ん中でボールをキープできない山口のところで奪ってからのカウンターが中心です。怖かった右の加賀はそれ程でもありませんでしたが、左サイドを簡単に敗られて相川にシュートを放たれます。

25分過ぎからは吉武に刺激されたか、なかじも良いプレーを連発。27分中へ切れ込んでするどいシュートを放ちますが、これはGKに弾かれます。これで得たCKのこぼれをなかじが中へ入れて城へ。しかし城がエリア内で持ちすぎてシュートまでは行かず。さらに30分なかじのキープから前の吉武へ、吉武のクロスは誰にも合わず。37分のロングゾーンからのなかじのFKはドンピシャでトゥイード合わせるがこれはGKキャッチと、まさに終盤はなかじの時間帯。たびたび光るプレーを見せて、吉武、内田とからんでいました。

札幌のカウンターもするどく、サイドを崩され右から加賀のアーリークロス、これをニアで合わされますが、ゴールならずと、お互いいい形で攻め込みながら得点を奪えないまま前半は0-0で終了です。
しかし前半いちばん目立ったのは、選手達よりバックスタンド側のボールボーイ達。ボールを取りに行くにも渡すのも動きが緩慢で、イスにどっかり腰掛けた姿はスタンドからブーイングが上がるほどで、何度も副審の八木あかねタンや運営スタッフから注意を受けていましたが、ゲームの流れが切れることがしばしばありました。


さて後半序盤は札幌のカウンターからサイドを何度か崩されるシーンが目立ちます。
2分にはアーリークロスに菅野がエリアを飛び出して対応しますが、今日の菅野はDFのと連携がうまくなく、飛び出しにも不安定さを感じさせました。27分にも横浜FKのカウンターで攻め込まれ、1vs1になった局面で飛び出しますが、このクリアを拾われてループシュートを放たれます。これは辛くもバーに当たって、外れますが、危ないところでした。

なかなか進まないゲームに最初に動いてきたのは策士柳下の札幌。8分にほとんど消えていたFWの清野に代えて、FW中山を投入。前線の活性化を図ります。
しかし先制したのは横浜。13分左サイドで吉武が粘ってキープしたボールをなかじに出し、深い位置からグラウンダーのクロスを放つと、城が受け無理めの姿勢から反転してシュートを放ちこれが決まりゴール。

しかし、ここで一期果敢に良い流れを維持して攻め込むことを選ばずに、1点を守りに行き、リアクションサッカーを選択したのが宇宙采配ユースケ☆アダチ。17分に消えていたわけでもなく疲れを見せていたわけでもないカズに代えて富永を投入して前線へ。
それでもしばらくは横浜ペースを維持してきましたが、札幌は右サイドであまり効いていなかった加賀に代えて岡田を投入して、積極的な選手交代で流れを引き寄せます。


そして22分薗交代直後に左サイド早川が中に絞って広大なスペースの出来た左サイドを西谷に駆け上がられて、フリーで入れられたスルーパスは中の相川に合い、札幌が同点に追いつきます。
15分過ぎから前半からかなり動いてきた北村の足が止まり始めたこともあり、右サイドのケアがかなり手薄になっており、最初の交代はカズではなく北村だと思っていただけに、悔やまれる失点です。

さてリードを守るべく前線に貼り付ける意図だったであろう富永ですが、同点にされたあとは、なんとか起点になろうと、中盤に下がってボールを受けに行ったり、サイドに流れてボールを受けに行ったりしますが、そういうプレーは富永の本職ではなく、起点になれません。

30分過ぎからは城がタンカで運び出されるほど札幌のプレーも激しくなります。横浜は左サイド中心に攻めこみますが、真ん中でくさびになる選手がいません。終盤惜しいシーンは、37分に城が中央から右へ流れる動きとシンクロして富永が右から中へDFをつり出し、城がエリア内でDFを交わしてシュートを放ったシーンがありましたが、これは左へ外れます。

そして最大のサプライズは39分、終盤に入っても疲れを見せず、左サイドでチャンスを作ってきた吉武に代えての小野智吉投入。トモキチは交代直後から攻め込んで連続してチャンスを作り出しますが、逆サイドでは北村が幽霊のようにさまよっています。ここでトモキチを左に入れて、吉武を右にポジションチェンジしていたら、サイド攻撃のバリエーションは維持できていたと思うので残念な交代でした。

トモキチは40分、エリア内で粘って倒されますが、笛は鳴らず、この後も2度ほどエリア内で倒されるシーンがありましたが、主審は流してそのままタイムアップ。横浜は勝てる試合を消極采配で落としてしまった印象で、バックスタンドも何とも言えない落胆に包まれます。


試合終了後バックに挨拶に来ず、ゴール裏に直行しようとする選手達。きちんと挨拶には来てくれましたが、それぞれの顔はやはり勝ちきれない悔しさをにじませていました。

さて選手評価です。

菅野 5.5
DFとの連携がうまくいかず飛び出すシーンが多かったが、不安定さがつきまとった。
早川 5.0
攻撃参加は評価できるが、失点は早川が中に絞ったスペースを好き放題使われたもの。
トゥイード 5.5
危なげなくラインを統率したが、失点はいただけなかった。
浮氣 5.5
カバーリングは良かったがやはり失点が痛い。
中島 6.5
アシストはみごと。左サイドはしっかりと締めていた。前半終盤はなかじの時間帯だったので、これをフルタイム続けられるようにしたい。
北村 5.5
後半10分過ぎから足が止まってしまった。
内田 5.5
積極性は良かった。
山口 5.0
今日はフィジカル面で悪かったか。相手のチャージに簡単に倒されるシーンが多かった。
吉武 6.5
途中交代は不可解だったが、今日のマンオブザマッチ
三浦知 5.5
やはりマークは厳しいが、そこで決めてほしい。
城 6.0
得点はお見事。このほかにもチャンスを作ったが、決めてほしい。
富永 5.0
自らの役割を忘れ、前後左右するシーンが多かった。前線に張らない富永やクロスを上げる富永は怖くない。
小野智 6.0
出場してすぐチャンスに絡むなど、ゲームの流れを壊すことはなかった。
足達監督 4.5
消極的かつ不可解な交替策で勝ちゲームを逃した。選手を責められない。