つじあやの「はじまりの時」

はじまりの時
「はじまりの時」つじあやの

  • 発売日: 2006/09/27
  • メディア: CD

わが妻命名、「ひょろりさん」こと、つじあやのの新しいミニアルバムが発売されました。かなりの問題作も収録されたオススメのCDです。

つじあやのといえばこれまで

  • 鴨川河川敷ライブ時代
  • デビュー〜ブレークまで
  • 「風になる」ブレーク後

という時期に分けることが一般的だったと思います。
でも、彼女じしんは一貫して変わらない作風をマイペースで貫いて、変わってきたのは彼女ではなく、リスナーの層だったと思います。

ところが今作はつじあやのじしんが、というよりもつじあやのはどこまでいってもつじあやのなんですが、つじあやのの作り出す音楽世界が大きく転換し、まさに「第2期つじあやの」のスタートとなる作品だと思います。

これまでのつじあやのの音楽世界といえば、

「ぼく」と「きみ」の「ちょっとほろ苦くて温かいほんわかした恋」の世界。

今作はそれが、

「わたし」と「あなた」の「かなりきわどい大人の恋」の世界

も見られるようになっています。

彼女自身もインタビューで「今までは『わたし』で歌うのがてれくさい部分があったけれども、今は素直に『わたし』で歌える」との言葉もあったとおり、彼女じしんの心境の変化が大きいのでしょうが、ぼくなんかは、特に「Bathroom」なんて赤面してしまうくらいにストレートな「女性の」愛の歌になっています。

でもそのような変化を遂げたつじあやのはさらなるアーティストとしての成長を遂げてゆくのだとおもいます。そういう意味でも今作は「はじまり」だと思います。

サウンド面でも、伊賀航、徳澤青弦、坂和也といったツアーでおなじみの面々とアットホームな雰囲気の下作られたことがよく分かる伸びやかなモノになっていて、おすすめですよ。

さて全曲解説。オフィシャルサイトに寄せられたつじあやのじしんのコメントも参考にしています。

  • 1.Fly High
    • いきなり英語タイトル。千葉の館山の海にインスピレーションを受けて作られた歌のようです。オフィシャルサイトではPVが試聴可です。
  • 2.はじまりの時
    • ブラスから始まるアルバムのタイトルチューン。はでです。で、このイントロって↓最下部の窓参照
  • 3.チキンハートをけとばして
    • 今度はスカ。
  • 4.Bathroom
    • つじあやのじしんも認める、今作の中での一番の問題作。ジャジーな雰囲気な中、つじあやのがうたいあげるのはまさに「わたし」と「あなた」の28歳の大人の恋。「体があなたを求めている」という歌いだしには本当にドッキリです。ところで「バスルームより愛をこめて」って山下久美子
  • 5.忘れないで
    • この歌のみ「ぼく」、「きみ」の世界で、さらに徳澤青弦のチェロを大々的にフューチャーした作品。もっと彼のチェロを聴いていたいと思う作品です。つじあやのの声、ウクレレ、チェロの相性もバッチリです。
  • 6.アイムハッピー
    • いきなりチューニングから始まる、レアトラックス風弾き語りです。

結局以前ライブで披露された「7つの海越えて」や「愛のラブレター」は未収録。フルアルバムにははいるんでしょうか?