今年の10冊
- 1位「薬指の標本」小川洋子
- 読んだ当時の感想には「すごい本です。とにかくすばらしい本です。短い中編2編が収められた本なのですが、2編ともすばらしいお話しで、何度も読み返しました。読み返すたびに新たな思いが心に流れ込んでくるようなそんなすばらしい作品でした。」と書かれています。圧倒的な静謐さを持った小説でした。
- 2位「Op.ローズダスト(上)、(下)」福井晴敏
- 3位「ひとがた流し」北村薫
- 美しい言葉でつづられた、美しく、そして切ない物語。涙なしでは読めませんでした。このひとの本は本当に「美しい」。寡作な方なのでまたしばらく読めないと思うと残念です。
- 4位「壬生義士伝 上、下」浅田次郎
- 5位「シェエラザード〈上〉、〈下〉」浅田次郎
- 実際に起きた阿波丸事件を下敷きにし、昭和20年のシンガポール、阿波丸船上、そして現代の東京を舞台にドラマが動きます。この人の小説は本当に面白い。エンターテイメントです。
- 6位「夕子ちゃんの近道」長嶋有
- 手に取るまでタイトルで勘違いしていましたが、童話ではありません。また、解説にも連作短編とありますが、ストーリー的につながっているので、どこから読んでもいいわけではありません。そういう意味では長編だと思います。川上弘美さんの「古道具屋中野商店」と舞台設定が重なりますが、こちらはいつもの長嶋ワールド。たのしく読めました。
- 7位「亡国のイージス 上、下」福井晴敏
- 小説としてストーリーは秀逸。しかし「川の深さは」、「Twelve Y.O.」と続く「DAIS」シリーズももうこれで3作目、狂った指揮官の暴走と、それを阻止しようとする若いDAIS工作員とくたびれた中年男って言うパターンはいい加減変えないと飽きられないか?と思ったものですが、OP.ローズダストでその苦言もあっさり解消。さすが。
- 8位「蛇行する川のほとり」恩田陸
- ぼくが読んだのは3分冊になったものでしたが、それをまとめたものです。まるで漫画のように風景が思い描かれる美しい作品でした。 あるひとつの事件を3人の視点で描く作品のため、3分冊に分かれていました。3分冊で読むのも気分でイイですよ。
- 9位「博士の愛した数式」小川洋子
- 10位「泣かない女はいない」長嶋有