三月珈琲工房
ぼくの行きつけの珈琲屋さん。開店直後のレビューだけで、その後きちんと紹介していなかったので、改めて紹介することにします。
三鷹のまほろば珈琲店で珈琲の淹れ方からスタートして、焙煎までを修行した甲斐一江さんが昨年の12月28日に開店した自家焙煎のお店。開店からふた月半が経ち、だいぶお店も落ち着いてきました。
長く吉祥寺の画材屋さんで働いていた甲斐さんが一目ぼれしたという立地は、家のすぐ近所にあったおばさん相手の2坪ほどのリサイクルショップ「ゆうみん」の跡地。吉祥寺駅からは少し遠いものの居心地のいい住宅地の中。
3坪ほどの小さな店内にロースター、豆の棚、3席のカウンターがしつらえられた素朴なお店で、店内にはボサノバが流れて、狭いながらも気持ちのいい空気が流れています。
鋳物製の窯を使ったロースターで焙煎するコーヒー豆は、
の4種類のブレンドは各500円/100g。
いちばんバランスの取れた「NO.4」ブレンドは、いつでも試飲出来るように作ってあり、香りや酸味をチェックできるようわざとぬるくしてあるので、まずはこれを飲んでそこから何を足したいか、引きたいか、を甲斐さんと話しながら選ぶといいでしょう。
試飲以外の珈琲はどの豆でも1杯200円で店内のカウンターで飲むことが出来ます。ただ、あくまでも珈琲の販売を行っているお店ですので、のんびりと長居をするのは難しいですね。
ぼくはいつもNO.5ブレンドです。
最初はバランスの取れたNo.4ブレンドを買って飲んでみましたが、時間を置いても酸味の増さないバランスの取れた味と豊かな香りが素晴らしいです。
お気に入りのNO.5ブレンドは、コクが強く、甘みも立ったとても美味しいコーヒー。ビターなだけのコーヒーに飽き足らなくなった方にオススメです。
また、甲斐さんの師匠に当たるまほろば珈琲店の横井さんから教えていただきチャレンジしてみましたが、NO.5を1ヶ月熟成させてから飲むと、香りは飛んでしまいますが、コクがさらに出てまるで絹を飲んでいるかのような重厚な素晴らしい味を楽しめます。しっかりまじめにローストしてある豆ならではですね。
ストレート珈琲は
など700円/100gまでと若干お高目かと思うのですが、それだけの価値はあるお味です。
シングル好きならまずはコロンビアでしょうか?エメラルドともども癖がなくてさわやかなナッツ系の味がします。
そしてすっぱいコーヒーは嫌い、と思っている方はぜひこの店のモカを飲んでみてほしいですね。きちんとローストすれば酸っぱくない、ということがよく分かります。
また準レギュラー豆として、3〜5月のマンスリーだった
も売っています。深煎り好きならケニヤ、コクを求めたいならラグリマもいいですね。
コーヒーは苦くて苦手、という方には苦いだけじゃないコーヒーの旨さを、
コーヒー好きの方には、今好きで飲んでいるコーヒー以外のコーヒーの楽しみ方を、
それぞれに与えてくれる稀有なお店だと思います。
甲斐さんは2005年10月から2006年8月まで幻冬舎のwebマガジンに「おいしい珈琲をご一緒に」を連載、昨年の12月にはその連載をまとめたエッセイ「おいしい珈琲をご一緒に」も出版されています。
ぜひ見てみて、ご一読ください。
珈琲は、煎る人と飲む人がお話しながらいっしょに作り上げて行くものですから、頼めば送ってもらえるかもしれませんが、ぜひお店にいらして、甲斐さんとお話をして、好みの珈琲を探し出してみてください。
(2007.03.08追記)
甲斐さんから伺いましたが、このエントリーを見て遠くからオーダーしてくださった方がいたようです。どーもありがとうございました。
(2007.06.07追記)
何点かか訂正もしましたが、三鷹のリトルスターレストランでは5月から三月珈琲工房の豆を使い始めています。是非行ってみてください。
さらに、三月に飾っている絵の作者、嶋田陽子さんが2007年7月9日〜14日に四谷三丁目の「ゑいじう」にて個展「ヒミツのハナゾノ ミワクのケダモノ」を開催されます。
11:00〜19:00(最終日は17:00まで)だそうですので、よろしければ是非足を運んで見てください。