J2第14節 対アビスパ福岡戦@ニッパツ三ツ沢

横浜FCは監督リトバルスキーのクビが風前のともしびのアビスパ福岡とホーム三ッ沢で対戦。相手のラフプレーに苦しめられたり、サイドで優位に試合を作れなかったりしましたが、2-1で勝利。
久々に見たなかじは、なんだかスリムになっていました。

横浜FC 2(1-0)1 福岡

  • 16:03キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場 入場者数:3,953人
  • 得点
  • 警告
    • 横浜 小山(88分)
    • 福岡 ルダン(18分、73分)、柳楽(44分)、グリフィス(87分、89分)
  • 退場
    • 福岡 ルダン(73分2警告)、グリフィス(89分2警告)
  • 出場選手
    • 横浜 GK小山、DF中田洋、八田、山田、太田(59分 八角)、MFエリゼウ、根占、三浦知(68分 難波)、滝澤、FWアンデルソン、池元(65分 チョ・ヨンチョル)。 <サブ>GK岩丸、FW御給
    • 福岡 GK神山、DF山形、ルダン、柳楽(83分 長野)、MF田中、久藤、グリフィス、タレイ、中島(75分 久永)、FW黒部(60分 中村)、大久保。 <サブ>GK吉田、MF鈴木

相手のラフプレーに苦しめられたり、4-4-2対3-5-2による、サイドでの数的優位を生かせず、横浜のシュートは試合通して4本。スタッツから見ると大変苦戦したのですが、実際は、福岡が中盤で試合を作れずに、横浜はそれほど苦労しなかった印象が強い試合でした。

試合前は、カズとなかじの師弟コンビ?のマッチアップが楽しみだったんですが、なかじはサイドの守備は3バックに任せて高めに張り付いていたのでほとんどヨースケとのマッチアップでした。
そのヨースケ。序盤こそなかじにちんちんにされて、ゴールラインへクリアするのが精一杯だったヨースケも、次第に扱いに慣れて後半は逆にオーバーラップを繰り返してましたね。

試合の流れをざっと振り返りましょう。
前半早々、カズの素晴らしいスルーパスに抜け出したアンジのゴールで先制。
後半開始早々に、福岡のジャンボに頭で決められたものの、イケが鋭い切り込みから勝ち越しゴールを決めた後は、八角を投入して逃げ切りを図る余裕の展開。
なかじはアンジへの肘打ちなど汚いプレーもありましたが、中盤からはヨースケに押し込まれて、悔しい途中交代。
交代時にはヨコハマゴール裏からも暖かい拍手があり、なかじも深くお辞儀をしてくれました。


試合は、横浜がまずは主導権を握る形で始まります。
開始早々イケが左深くから中に切り込んでシュート。これはサイドネットでしたが、イケの今日の活躍を予感させるプレー。
福岡はなかじ、久藤からジャンボへのクロスを中心に攻め立ててきましたが、低めに保ったラインで、しっかりとカバー。ヤツが高さを生かして、黒部、ジャンボを封じます。
左サイドは、久藤にボールは持たれますが、コースケがしっかりと身体を入れて、相手のチャンスを作らせません。こういうプレーはヨースケに見習ってほしいものです。

6分ミドルゾーンでアンジがルダンに肘打ちされ倒されます。
カードは出ませんでしたがここで受けた注意をチーム全体としてマネジメントできなかったことが、福岡の自滅につながりました。ここで修正しなかったことで、チーム全体としてラフプレーを許容してしまったわけですから。


カズは頻繁なポジションチェンジで左へ動き、その際はタッキーが中へ入ってネジが右にシフトしていました。
そのネジは効果的なチェンジサイドのパスが光りましたね。
そして16分、先制点は怪我明けながら、身体の切れもよかったカズから生まれます。カズのゆったりしたドリブルから一転速いスルーパスを前線のアンジへ送ると、これをアンジはDFに競り勝ち、右サイドからシュートし、GKの脇を抜け左隅に決め4試合連続ゴール。2位佐藤寿人に5点差を付ける12点目のゴールです。


ここで一気に畳み掛けたい横浜ですが、相変わらず久藤、なかじの両サイドに押し込まれて、両サイドが引き気味となり、さらにサイドのディフェンスに注力するため、中央が空き気味になってチャンスを作れません。

18分福岡ルダンが繰り返しの反則で当然の警告。これでも修正しなかったリティの責任は大きいと思います。

カズは、ディフェンス、攻撃の起点としていましたが、決定機は逃し続けたのが痛いところ。19分の左から中へイケが切り込み、右のカズの動きを見てスルーパスを出しても反応できなかったり、43分にはエリゼウインターセプトから左のカズへ渡そうとするが合わせ切れなかったり、後半13分にはカズが起点で左のタッキーへ展開し、上げたクロスをファーでカズがヘッドするもGK神山の正面だったり、後半16分には左をタッキーが抜け出したクロスをファーでカズがシュートもミートせず枠外と。

そのまま1-0で前半終了。福岡のプレーが荒くなってきたのが気になる前半でした。


さて後半も横浜が主導権を握る形で始まります。
開始早々アンジのくさびにボールが収まり、前に出しますが、これはGK神山がキャッチ。
プレーの荒さはなかじにも伝染し、2分にはホームゴール裏、ちょうど僕らの目の前でアンジにオフザボールの場面なかじが肘打ち。ゴール裏はブーイングの渦でしたが審判は見逃してました。こういうの、しっかり取ってくれないと、試合の荒さに拍車がかかってしまいます。

開始早々こそ流れを握った横浜でしたが、徐々に福岡にモメンタムが傾きます。
3分に大久保が右足ミドルシュート。これは枠のわずか上で危ないシーン。
そして8分、同点に追いつかれてしまいます。右サイドからのクロスを混戦の中ジャンボが押し込みました。思わずゴール裏に飛び込むジャンボ。勝ったからそう思うんでしょうが、良いシーンでした。
これでエンジンがかかった福岡は、直後のプレーでも受けに回った横浜を翻弄し、なかじが危ないクロスを供給。

落ち着きたい横浜でしたが、ここは好調を維持してきたイケが自らのゴールで流れを引き戻してくれました。
失点直後の10分。ペナルティエリアのすぐ外で左でボールを受けたイケが中へ流れながらコースを作りDF、GKの位置を見て冷静に降り抜いて勝ち越しゴール。みごとなゴールで勝ち越しです。


これで落ち着いた横浜。14分にコースケに代えて八角を投入し、ねじを左SB、八角ボランチに据えると、直後のプレーで八角が右サイドを抜け出します。しかしこれはクロスは上げられず、後ろのエリゼウへ渡してエリゼウがミドルを放ち枠外。八角はボールをさばいたり守備面では合格でしたが、攻撃面でもう少し思い切りがほしい印象です。

またもビハインドとなった福岡ですが、相変わらず攻撃はジャンボ頼みで苦しい印象です。

20分には相手のラフプレーで足をやられた今日のマンオブザマッチのイケに代えヨンチョルをトップへ、24分にはカズに代えてなんちゃんを右サイドへ投入して逃げ切りをはかります。

そして試合のキーとなったラフプレーでついに退場者が。28分またもミドルゾーンでアンジーが中へ抜け出そうとしたところを出会い頭のラリアットでルダンが倒し、2枚目の警告で退場となります。
このシーンでグリフィスが熱くなり、グリフィスがヤマタクにちょっかいを出し、乱闘になり掛けます。これが2人目の退場者への布石になりました。


さてなかじは攻撃にシフトしたい福岡の戦術的理由で、30分に久永と交代。ホームゴール裏、メイン、バックからの拍手になかじもお辞儀してくれました。じーんとくるいいシーンでした。

一人少なくなった相手は441にして中盤を減らさず、ジャンボへのロングボールでチャンスを作ろうとしますが横浜もゆったりと守ります。
43分にはこーやんが遅延で警告を受けたり、なれないボールキープをやって、CKを与えたりもしましたが、45分ロスタイムに突入したところで、グリフィスがラフプレーで2枚目の警告を受けて退場し、相手は9人に。
あとは相手のパワープレーもいなして2-1で勝利しました。
後半42分のなんちゃんに対する福岡GK神山とDFの2プラトンの顔面を狙ったキックはひどかったですね。まさに今日の福岡を象徴する危ないプレーでした。


リティ福岡は、3バックにしても中盤中でボールがキープできず苦しいですね。
ジャンボへのロングボールしか攻め手がないのはいかにも苦しい。後半は、ボールをキープしたい焦りからラフプレーに終始し、外国人選手2名が警告2回で退場する、まさに自滅の展開。なんとなく判定基準で苦しんだ、リティ横浜のマシューの1年目を思い出す試合でした。

第二クール、リティの顔は拝めそうもありませんが、その結果、ジャンボやなかじが出場機会を失わなければいいと祈ってます。

さて、横浜は接戦ながらも今年初開幕2連勝以来の連勝を飾り、次節は中二日で好調を維持して首位独走態勢を築きつつある広島戦です。
両チーム出場停止もなくベストメンバーで戦えます。3-6-1で中盤を厚くして相手に対して横浜がバイタルゾーンをいかに相手に支配されずに戦えるかがポイントになる試合だと思います。
佐藤寿人のみならず森崎浩、柏木という2シャドーにバイタルを使われると苦しい試合になるのではないでしょうか。ねじ、エリゼウ、ヤツ、ヤマタクは正念場ですし、カズ、タッキーと言ったところがどれくらい中二日でやれるのか、というところも見所になってくると思います。もちろんアツが戻ってこれるかどうかもですね。

さて採点です。

  • 小山 6.0:遅延で警告を受けるシーンもあったが、今日は安定していました。
  • 中田洋 6.0:前半はなかじにちんちんにされましたが、後半はやり返しました。
  • 八田 6.5:まさに身体を張って黒部、ジャンボを封じました。
  • 山田 6.5:ポジションを忘れたかのような闘莉王的な持ち上がりは迫力がありました。相手のラフプレーに対し、あつくならせずにチームをマネジメントしました。
  • 太田 6.0:DF面では完璧でした。攻撃面では下がり気味のラインに苦労しましたが、チャンスも作りました。
  • エリゼウ 5.5:守備は相変わらず、完璧でしたが、不用意なパスミスが本当に多いです。
  • 根占 6.5:中盤で相手チャンスをつぶし、素早く攻撃に転じるなど良い動きでした。
  • 三浦知 6.0:攻撃の起点として機能しました。チャンスは確実に決めてほしかったです。
  • 滝澤 6.0:左サイドから正確なクロスを供給しました。
  • アンデルソン 6.5:先制点はさすが。相手のラフプレーに乗じて、ファールをもらいに行こうというプレーも目立ちました。
  • ★池元 7.0:今日は試合開始から、積極的な姿勢でチームを引っ張りました。
  • 八角 5.5:攻撃面でもう少し思い切りがほしいです。
  • チョ・ヨンチョル 5.5:チャンスは作りましたが、持ちすぎです。
  • 難波 5.5:3バックへの対応に若干苦労したように思います。