J2第43節 対ベガルタ仙台戦@ニッパツ三ツ沢

tatsumine2008-11-22

横浜FCはホームニッパツ三ツ沢で3位仙台と戦い、2度勝ち越しながらもロスタイムに追いつかれて引き分けに終わりました。
予想以上のサッカーを展開しての惜しいゲームにスタンドからは拍手が送られました。なお、本日の新聞では都並監督の解任?が報じられています。

横浜FC 2(1-2)2 ベガルタ仙台

  • 14:03キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場 入場者数:9,102人
  • 得点
    • 横浜 根占(12分、60分)
    • 仙台 平瀬(48分)、中原(89分)
  • 警告
    • 横浜 難波(68分)、小山(86分)
  • 出場選手
    • 横浜 GK小山、DF吉田、戸川、エリゼウ、太田、MF八角、山田、根占、三浦淳(84分 滝澤)、FW御給(89分 三浦知)、難波(77分 池元)。 GK岩丸、FW長谷川
    • 仙台 GK林シャイニング卓人、DF菅井、木谷、岡山、磯崎(75分 永井)、MF斉藤、千葉、関口、梁、FW平瀬(78分 中原)、中島(74分 ナジソン)。 GK荻原、MF富田

骨折の影響で8月17日の1-1のドローに終わった草津戦以来実に3ヶ月以上ぶりの生横浜FC観戦となったこの試合。
しかし試合内容はそのときのドローとはまったく違う白熱したものとなりました。

事前にアウェイゴール裏が完売していたこともあり、かなりアウェイっぽいホームになることも予想されましたが、9000人を超える入場者数のうち仙台サポはメイン3割、バック3割ほど。うちとしては動員的にもずいぶんがんばったのではないでしょうか?

さて試合前の予想では、日刊スポーツも仙台の勝利は絶対でいかに大量得点差をつけて勝つか、というボーナスステージ扱い。元オフィシャルブロードキャスティングカンパニーのJスポーツさえ昇格争いにあまり関係ないと見て放送予定がないほどの試合でした。


しかし、試合内容は予想に反して前半横浜のペース。中盤での八角ヤマタク、ねじのプレスが激しくボールを奪ってからも縦に急がず、じっくりとゲームを組み立てます。序盤パスがかみ合わずイラつくところのあったアツもしばらくするとコースケとのコンビで左サイドからチャンスを作ります。今日は自ら内に切り込まず外のコースケに任せることが多かったですね。
試合開始から2回連続でCKのピンチは迎えるものの、これは決定的なクロス等を上げさせなかった結果と見ます。


そして12分、それまでもアツとコースケのコンビで何度か切り崩していた左サイドへなんちゃんが流れてらしくない正確なクロス、これをニアで59がヘディングシュートしたこぼれをねじが右足でねじ込んで横浜が先制します。


これで仙台は様子見のロングボール作戦から前掛かり来ざるを得ないかな、と思ったのですが、昇格に向けて大量サポが逆にプレッシャーとなったか、失点以降も硬さが目立ちいいところのない印象でした。

創設以来の横浜FCの戦い方は両サイドにスピードスターを配して、ボールを持ったらすばやくサイドに展開して多くのクロスを中央に供給する、というものであり、その戦術でコーヘー、うっちー、きたむー、ツヨ等の優秀なスピードスターを輩出してきました。
しかし、ヘボ監督の志向しているポゼッションサッカーはその対極にあるサッカーで、三ツ沢のピッチで横浜の選手がポゼッションしているのはなんだかとても不思議な光景でした。
しかし昨日はこのポゼッションからのパスサッカーが流れるように決まっていました。

このまま1-0で横浜がリードして前半終了。


後半試合はすぐに動きます。遠いサイドだったので良く分からなかったのですが、後半3分左サイドからクロスを上げられてニアで平瀬に頭で合わされて失点。CBがサイドに引き出されてマークを外されると痛いですね。ロート製薬な平瀬のコールには笑ってしまいました。

この後は拮抗した展開が続きましたが、次に均衡を破ったのも横浜。
15分、CK崩れから右サイドでコースケの上げた縦ポンをなんちゃんがファーサイドで頭で中に入れ、これに59とねじが詰め体勢を見て取った59が後ろからスピードに乗って入ったねじにシュートを譲り、このプレーがブラインドになってゴールが決まります。


その後は横浜が遅攻を強め、勝ちに行きます。29分にはコースケのクロスになんちゃん、59が飛び込んで59のヘディングはゴール右に外れます。
このまま3点目も見えてくるのではないかと思われましたが、ここから勝負を分けたのは監督采配でした。
中島に代えてナジソン、さらに磯崎→永井、平瀬→中原と中盤を厚くして攻めてくる先代に対して、ヘボ監督が珍しく自分を失ってその交代にお付き合いしてしまうことなく、なんちゃんに代えてイケ、痛んだアツに代えてタッキーと同じポジションでの交代でした。
交代を急がなかったこと自体は正解だったと思いますが、まだ動けていて前線でのプレスも効いていたなんちゃんを池元に変えたこと、そしてイケにトップでのプレーを許さず、トップ下の位置でボランチへのカバーをさせたことで、前線でのボールキープがかなり難しくなってしまいました。
さらに59が残り10分くらいから極端にプレーが遅くなり、ボールに追いつけなくなってきたのに、ロスタイムに入るまで交代をしなかったこと。そしてその交代がカズだったこと。
これらが試合の結果を決めてしまいました。
後半32分の交代がなんちゃん→イケではなく、59→イケであれば、そして89分の交代がなんちゃん→タローであれば、試合は2-1もしくは3-1で終わっていたはずです。

左イケから59へのクロスは足に当てるだけでゴールインだったのに足がもつれてシュートできず、ファーでねじが豪快に蹴るも宇宙開発。それまで動きが良かっただけに、59の代え時を見切れなかった監督力のなさが本当に悔やまれます。

しかしロスタイムもあと2分というところ、ねじが痛んで10人でのプレーを強いられたプレー、苦し紛れの仙台のロングボールが、中原に渡るとまたもエリゼウが外されてしまい振り向きざまに早いシュートを放たれてこーやんがまったく動けずに同点に追いつかれてしまいます。
なんとか勝ち点3の欲しい横浜もラストプレー、波状攻撃からイケが後ろにそらしてコースケの強烈なミドル、それをGKがはじいたところでの八角の飛び込みでの太田の強烈なシュートも、詰めた八角のシュートも相手GKに止められ、試合終了。

試合終了後ピッチに倒れこむ横浜の選手たち。力尽きて倒れこんだ八角に手を貸して起き上がらせる林シャイニング卓人(いいシーンだ)。
全力以上の力でプレーしても得られない勝ち点3に対して、悔しさを隠さない選手たちにスタンドからは拍手が送られました。

そして久々のサッカー観戦でいい試合を見せてもらって本当にうれしかったし、あと1試合同じ容易に全力以上の力でプレーする選手たちを見たいと思います。
試合終了後は、久々にサッカー仲間と酒を酌み交わしてバカ話に花を咲かせました。

さて、採点です。

  • 小山 5.5:今日は動きもよかった。失点はこーやんでなくても防げなかったと思います。
  • 吉田 6.0:いいSBに育ちました。驚きました。
  • 戸川 6.0:いつも不安定なプレーに終始していた彼も落ち着いていました。
  • エリゼウ 5.0:安定したDFを見せていただけに2失点に絡んでしまったのは残念。
  • 太田 6.0:アツとのコンビネーションも上々。あとはゴールも決めたかった。
  • 八角 5.5:いいプレスで中盤を支配した。最後の飛び込みも闘志を見せた。
  • 山田 6.0:今日もフィールド狭しと走り回ってゲームを作りました。
  • 根占 6.5:攻撃参加も積極的でまさにねじのゲームでした。
  • 三浦淳 5.5:キックの精度がなぁ…。
  • 御給 6.0:いいプレーを見せていただけにいきなりのガス欠は残念。
  • 難波 6.5:クロスに落としにと自らの長所を引き出してくれました。
  • 池元 5.5:プレーが消極的だったのは監督采配でしょう。残念です。
  • 滝澤 5.5:いきなりの出場でしたが、そつなくこなしました。シュートは自分で打ってもいいと思います。
  • 三浦知 5.0:顔見せとしか思えない交代はかわいそう過ぎる。
  • ヘボ監督 2.0:みすみす勝ち試合を逃したのはすべて監督の責任