J2第14節 対サガン鳥栖戦@ニッパツ三ツ沢

tatsumine2010-05-23

横浜FCはホーム三ツ沢で4位のサガン鳥栖と戦い、大黒のハットトリックで4-0で快勝し、連敗を4でストップしました。

横浜FC 4(4-0)0 鳥栖

  • 19:03キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場 入場者数:4,749人
  • 得点
    • 横浜 高地(7分)、大黒(10分PK、15分、32分)
  • 警告
    • 横浜 ホベルト(12分)、田中(77分)、渡邉(81分)
    • 鳥栖 下地(38分、51分)、呂(53分)、丹羽(89分)
  • 退場
    • 鳥栖 下地(51分)、呂(69分)
  • 出場選手
    • 横浜 GKシュナイダー、DF柳沢、金(68分 渡邉)、戸川、田中、MFホベルト八角、武岡、高地(58分 久木野)、FW大黒(76分 シルビーニョ)、西田剛。 [サブ]GK関、MF三浦淳、MF久富、FW難波
    • 鳥栖 GK赤星、DF丹羽、呂、木谷、日高(36分 磯崎)、MF金、下地、藤田、長谷川、FW山瀬(57分 豊田)、早坂(73分 文)。 [サブ]GK室、MF衛藤、FW池田、萬代

大分戦の快勝の後、甲府戦の盗まれた勝利から調子を再び崩して4連敗していた横浜。
J'sGoalでもtoto予想で鳥栖の思いを横浜は受け止めることが出来ず、大敗を喫するだろうと、酷評を受けていた前評判を崩す快勝で連敗ストップです。
一人の選手がこれだけチーム状況を変えてしまうのか、と愕然とする思いでした。

試合前から、岸川監督を始め、シュナイダー、ヤナギ、ユジン、ホベルト、武岡、高地、ナベと監督・ベンチ入り選手のうち8人が鳥栖在籍経験者ということからさながら鳥栖の紅白戦?いえいえ、実際にはもうみんな立派な横浜の選手たち。
監督を始め、全員が鳥栖側ゴール裏から大きなブーイングを受けていました。
一番大きなブーイングは武岡だったでしょうか?
鳥栖さんは気合が入ったベンチ、ゴール裏の様子が見て取れます。
サポーターの数も今までの鳥栖戦からは考えられないほど多く、声もよく出ていました。

試合のポイントは、選手登録から5日間でスタメンに入ったホベルトがどれだけチームにフィットするかと鳥栖の左MF金民友のビルドアップに対してテルがどれだけ対処できるか、だと思っていました。そのポイントは見事に横浜に有利に働いたのでした。

試合は、横浜が序盤から支配。いきなりのゴールラッシュで鳥栖を圧倒します。
6分にホベルトのすばらしいスルーパスを武岡がシュート、GKが弾いたこぼれを高地得意のごっつぁんゴールで先制。
さらに10分、オグリが中でキープして左の高地へ。高地が中へ仕掛けたところを微妙な位置で倒されラッキーなPK獲得。ホベルトを起点とする綺麗なワンタッチでのパス回しで相手を混乱させました。
このPKを前回のPK失敗の悪夢を払拭するかのようにオグリがGKの手をかすめて決めて2点目。
さらにさらに15分相手パスミスから高地が左からのクロスを上げてオグリがニアに蹴り込んで3点目ゲットです。

鳥栖はこの連続失点で大混乱。18分にはユン・ジョンファンコーチが退席処分となります。
22分には、今までの試合で中盤で埋没して生きの良い飛び込みが見られなかったハチがミドルを放って動きのいいところを見せます。
左サイドではテルの思い切りが目立ちます。高地とバランスをとりながらホベルトから供給されるボールをいつものような消極的なアーリークロスで逃げるのではなく、思い切りよく深い位置までドリブルで持ち込んで高地といいコンビネーションで攻撃を形作ります。
前半、この上がり目のラインが功を奏して、金民友に全くボールを持たせません。完全にチンチンにしている形。

31分には高地の左からのCKをニアでまたしてもオグリが決めて4-0オグリは前半だけでハットトリック達成です。
4点すべてに絡んだ高地も素晴らしいですね。
38分には鳥栖は日高から磯崎へ交代。負傷でしょうか?
前半はこのまま4-0で終了。
ラインも高く、パスもつながる横浜としては何よりな折り返しとなりました。


後半は、甲府戦のようにズルズルとラインが下がってバイタルエリアを使われまくってしまうことが危惧されましたが、ここでもホベルトがバッチリ機能します。
さらに後半5分には相手ボランチの下地が剛を引っ掛けて警告2回目で退場処分となり、横浜は1人多い展開に。
12分に鳥栖は山瀬に変えて豊田を入れて4-3-2の形として、前線で起点を作ろうとします。さらに横浜は高地がケガで痛んだため、13分にクッキーに交代。
この交代と20分のユジン→ナベへの交代が結果的に後半積極的に前に行かない要因となってしまったのかなと思います。

24分にはハチに対して足を上げて刈りに行った鳥栖CBの呂が一発退場。横浜は2人多い状態で戦うことになります。
鳥栖は2-5-1のフォーメーションで豊田にボールを預けて反撃を図ります。
これにナベが付き合ってしまい、ラインが下がる状態となりました。
それでも大きな破綻をきたさなかったのはやはりホベルトとハチのダブルボランチの存在。
縦の関係を維持しながら、バイタルエリアをしっかりカバーして後ろを削っても中での優位を作りたい鳥栖の意図に正確に対応します。
31分にはさらにバイタルでの優位性を保つために2バックに対応するならば剛の1トップで十分と判断したか、オグリに変えて汁をトップ下に入れて中盤で三角形を作りバイタルエリアを固めます。

このまま、しっかりと守りきった横浜は4-0で勝利。
後半無得点をとやかくいう人もいるでしょうが、
相手も大きくバランスを崩しながら攻撃を仕掛けてくる中、失点を防ぐことを考えながら得点をとると言うのはなかなか難しいものなのかな、というのが実地で見ていた感想です。

ホベルトが入ったことでぐっと安定感を増した横浜。
高地の負傷の具合は心配ですが、それが大事なければ、次節以降も今の布陣で勝負していけるのかな、と思いました。
テルにはこの試合のような動きを今後も見せて欲しいものだと願います。

さて採点です。

  • シュナイダー 6.0:バースデーに気持ちのいい勝利。仕事は殆どなかった。
  • 柳沢 6.0:攻撃的だったテルとのバランスを取り、攻め上がりを自重。裏をとられる悪癖は皆無。
  • 金 6.5:落ち着いて山瀬をマーク。チャンスを作らせなかった。
  • 戸川 6.0:2,3危ない場面を作られたが、早坂の1トップはキレイに潰した。
  • 田中 6.5:今までで一番の出来。ホベルトに上手く使われて上がり目のポジションで攻撃力を示した。
  • ホベルト 7.0:ホベルト1人でここまで変わるものか。素晴らしい攻撃指揮を見せた。DF面でも完璧。
  • 八角 6.5:ホベルトに引っ張られるように中盤で躍動。前目のプレーも良いものを見せた。
  • 武岡 6.0:左サイドでの攻撃が多かったため、バランスを取ることが多かったが、疲れも取れ元気にプレーした。
  • 高地 7.0:ケガの様子は心配だが、やはりこの位置が一番高地の形に持ち込めるポジション。ゴールはさすが。4点すべてに絡む活躍。
  • 大黒 7.5:2度目のハットはさすが。文句なし。
  • 西田 6.5:前線で体をはってチャンスを作った。
  • 久木野 6.0:高地に変わり左サイドを無難にこなした。
  • 渡邉 5.5:不用意なイエロー。
  • シルビーニョ 6.0:クローザーとしてトップ下のポジションで相手のビルドアップを潰した。