J1第15節ジュビロ磐田戦@横浜国際

横浜FCは、今シーズンナビスコカップで2戦2勝と相性の良かったジュビロ磐田とこちらはまだ未勝利と相性の良くないホーム・横浜国際で対戦。
幸先よく先制点を奪いながら、カウンターから失点。戦わない選手の存在も有り、後半逆転され、そのまま再逆転することなく敗戦。
せっかくのガンバ戦の健闘を帳消しにする敗戦です。

横浜FC 1(1-1)2 磐田
<得点>
05分 平本
23分 成岡
49分 前田
<警告>
22分 ファブリシオ
28分 平本
31分 船谷
44分 鄭
45分 山田
<出場選手>

  • 横浜 GK菅野、DF山田、早川、秋葉、中島、MF内田、根占、鄭、奥、滝澤、FW平本。 <サブ>GK岩丸、DF小野、小村、MF山口、FW藪田、難波、チョ
  • 磐田 GK川口、DF加賀、田中、大井、村井、MFファブリシオ、上田、成岡、船谷、FW前田、太田。 <サブ>GK松井、DF鈴木、茶野、犬塚、岡田、FWカレン・ロバート、中山

<交代>
74分 鄭(OUT)→小野(IN)
75分 成岡(OUT)→犬塚(IN)
83分 奥(OUT)→難波(IN)
<入場者数>
13605人

カズvsゴンで煽り続けた結果の入場者数は鹿島戦、清水戦を大きく下回り今回はついに2階席を閉鎖。現実を見つめるのはいいことだけど、この人数なら横浜国際を使う理由は1つもありませんよね。
で、カズは腰痛のためサブにも入らず。てっきり2トップでシャドーにカズというイメージだったのですが、平本の1トップでトップ下には奥。前節ガンバ戦で交代出場して流れをぶった切りした悪いイメージを持っていたので、大丈夫かいな?と思いましたが、その思い、全く杞憂ではありませんでした。


試合は横浜が支配する形で始まります。タッキーと平本のいいワンツーとか、平本の激しいプレスで奪ったボールをそのまま中央突破など、平本の前線での守備を起点に攻撃がつながります。

すると5分、これも平本が相手のミスパスを奪うと川口のポジションを見て素早くループシュート。これが決まって理想的な形で横浜が先制。


しかし、先制したことで必要以上にラインが下がり、サイドのケアにタッキーまでもが下がって対応する苦しい展開。しかしサイドで展開してもすぐに中へ中へとプレーしてくれたので、ヨンデ、根占がしっかりと対応してチャンスを作らせてはいませんでした。

それでも前半のうちに追加点がほしいと11分タッキーからパスを受けたなかじのアーリークロスを奥が後ろにすらし、内田がミドルシュートを放ちますが、これは川口がさすがの好セーブ。
19分にはタッキーがカウンターからドリブルで攻め上がり、右の内田へ。しかしクロスを上げるタイミングが遅くて中央の平本は合わせるタイミングを失います。ボールを奪うポジションが低いため攻撃まで時間がかかるのが歯がゆい展開です。

22分には奥が自陣中央でファブリシオに激しく削られて相手に警告。これ以降接触を恐れたか奥は精彩を全く欠いてしまいます。
すると失点はミスから生まれてしまいます。23分、最襲来からのロングフィードをハヤと前田が競りますが、身体をうまく入れて前田がスルー。後ろから飛び込んできた成岡を秋葉は全く付くことができず、山田が右サイドから必死に足を伸ばしますが、豪快に蹴りこまれて同点に追いつかれます。
ハヤがマークに付いたときのカバーリングの仕事。これを完遂できなかったのは秋葉にとって余りにいたい失点です。横浜にとっても痛かった。

試合の流れから下がった2列目と平本との距離が開いてしまった横浜ですが、それでも29分にはタッキーのアーリークロスにニアでヘッドであわせますが、わずかに左にはずれます。
30分過ぎからは磐田に押し込まれる展開が続きますが、サイドでは持たせながら中央でヨンデ、根占がしっかり守ってなんとか同点のまま前半終了。


後半も押し込まれる展開でスタート。
そして4分またもミスから失点。タッキーがするすると上がりますが、合わせる前線の選手がいないため、スピードにかげりが、そこを身体を入れられてボールを奪われると、右サイドを疾走する太田へ。なかじは太田に全く追いつけずらくらく低く早いクロスを中央へ。ゴール前で前田を背負っていた秋葉は身体でブロックすることなく右足だけで前田をケアしようとしますが、あっさりと身体を入れ替えられてクロスに合わせるだけのシュートが決まり逆転されます。
こういうプレーを見ると、太田と秋葉の差がかなり大きいといわざるを得ませんし、ワールドユースによる太田の欠場は痛いですね。


後半は、奥が前線とのリンク役を全く果たせず、前へ展開できません。セットプレーで5分山田がタッキーの左CKにニアで鋭いヘディングを放つも川口の正面だったもの、16分これもタッキーの右CKをファーでハヤがヘディングも枠を掠めたものくらい。流れの中では奥が流れを断ち切ります。一刻も早く奥を代えるべきだったと思うのですが、監督は奥を引っ張り続けました。

10分ほど前からトモキチが準備していたのだけど、一度アップに戻されて29分やっと動いたと思ったら、奥ではなくヨンデに代えて…。
山田を中に入れてトモキチが右SBに。続いて難波の場面ですが、なぜか投入を躊躇し続けた監督が実際に奥から難波への交代があったのは38分、余りに遅すぎる交代です。奥は、ジュビロに何よりの恩返しが出来たんじゃないかな?

試合内容より、前に座っている監督より監督らしいジェスチャアを、まるでアメリカンのように華麗に披露したお客さんに目が釘付けだった後半開始から、14番がフィールドを去るまでの時間。


その間に失ってしまったゲームの流れは、ナンちゃんの投入だけではいかんともしがたいものでした。
39分早川がたまらずオーバーラップしてエリア内でいいキープ、一度跳ね返されるも放り込みにナンちゃんが反応、といい流れは作り出しますが、ここも最初のキープの場面でシュートで終わりたかったですね。

今年の鹿島戦、2005年の仙台戦と何度も苦汁を飲まされた主審東城ですが、流すジャッジというよりは、見ていないジャッジは相変わらずですが、今日はそれをどうこういうレベルではない試合でしたね。

47分トモキチの右突破から、難波が飛び込み田中と激突しながらシュートを放とうとします。最後のチャンスとなったそのCKは誰も合わせられず、万事休す。

敗因は当然ながら流れを断ち切り続けた奥と、奥を意味なく引っ張った監督。
奥以外の選手はがんばった。願わくば、もっとやみくもに前を目指してほしいものです。

今日は完全に勝てた試合を落とした。
次は勝とう。頼む。
さて採点。

  • 菅野 5.5:失点はどちらもノーチャンス。後ろから選手を鼓舞し続けた。
  • 山田 5.5:フィジカルの強さで相手にチャンスを作らせなかった。
  • 早川 5.5:ハヤは堅実にスイーパーとして機能し続けた。オーバーラップは決意の表れだったはず。
  • 秋葉 4.0:一瞬のマークミスが二度とも失点につながった。ミスが試合を決めることを知ったはず。二度と繰り返すな。
  • 中島 5.0:中央のフォローに腐心した。太田には何もさせてもらえず完敗。
  • 内田 5.5:勝負する心を失わないでほしい。
  • 鄭 5.5:中盤の底でアンカーを良く務めた。
  • 根占 5.0:奥が蓋となり、攻撃に絡むことが出来なかった。
  • 奥 3.0:キリンカップでの稲本のような役割。つまりチャンスを潰す役割でゲームをぶち壊した。こんなプレーを続けるならもう見たくない。
  • 滝澤 5.0:守備に奔走、後半はボールの入れどころがなく苦労した。
  • 平本 5.5:ただ一人ゴールへの意欲を表し続けたが、後半は孤立。戦術の犠牲者
  • 小野 5.5:右サイドでクロスを上げられる選手。右サイドは彼か山田でしょう。
  • 難波 5.5:今日はプレーが軽く、簡単にボールを奪われることが多かった。怪我は大丈夫か?
  • 監督 3.0:なぜ奥を引っ張り続けたのか?

あの場所で戦ってなかったのは監督と14番だけだ。その2人がゲームを決めるのに一番重要な位置に立っていたことが残念でなりません。
14番。戦う腹づもりがないなら、下りの新幹線で違うブルーの連中と一緒に静岡方面に帰ってもらってもかまわないよ。


次節は水曜のアウェイ新潟戦と時間がありません。後半それでもチャンスを作れていた布陣*1を基本にチームを立て直してほしいですね。

磐田の選手コメントからは、菊地の事件直後のゲーム、サポーターに対しゲームで結果を出すしかない、と必死に戦ったことが現れたコメントですね。
うちの選手たちも、何をすべきか、どうすべきか、ということを考えながら戦っているのが分かります。

選手コメントのスゲのメッセージ、重要なので引用します。

菅野孝憲選手(横浜FC
(メディアを通してサポーターにお伝えしたいことがあると、菅野選手からのコメント)
「サポーターのみなさんからのブーイングは、結果が出ていない状況なので、当たり前のことです。ただ、クラブ、サポーターと一丸になってつかんだJ1の舞台、手放したくないという気持ちは選手全員、忘れてはいません。負け慣れているわけではないので、根気強く応援していただければ、と思います」

分かってる、分かってるよスゲ。俺たちは君たちと一緒に毎試合90分戦っているんだ。だから、戦っていないやつがいると思ったら、そのときはブーイングする。仲間として。

*1:GKスゲ、DFトモキチ、ハヤ、太田、なかじ、MFうっちー、山田orネジ、ヨンデ、タッキー、FW平本、難波。うっちーを左においてタッキーに休んでもらってもいいかも